学校や塾の授業を受ける前に予習しておくのは基本中の基本ですが、たまに勉強法として
- 予習は無駄だから復習だけしとけばいい
- 予習なんかよりも復習の方が何倍も大事
というような「予習は不要、重要では無い」という勉強法を実践して実際に効果を出している人がいます。
どうして予習をそこまで無駄と考えてしまう理由。そして本当に予習無しでも不安はないのかという疑問への答えについて、今回はまとめました。
予習は無駄と考えてしまう理由
授業の進行が予測できない予習するだけ無駄と考えている
予習が無駄と考えているいる人は、先生の授業の進行が予測できないから、予習をしてもその内容が無駄になるからあえて予習しないという考えをしていることがあります。
先生によっては「次の授業では教科書の20~23ページまでをやるから、ちゃんと読んでくるように」と丁寧に教えてくれる人ばかりではありません。
先生によっては、その日の気分で授業のペースが早すぎる(逆に遅すぎる)人もいたり、自作のプリントを当日に配って授業をするタイプの人もおり、そんな先生に当たるとせっかく予習した内容が無駄になるリスクがあります。
本当だったら遊びたかったけどわざわざ我慢して予習したのに、先生の気分で授業内容を変えられてしまっては、自分の苦労は何だったのか…という経験をしたからこそ、「予習なんてするだけ無駄!」と考えているのです。
(もちろん、先生が授業で扱わなかったとはいえ、しっかり予習した内容を後で復習しておけば、予習は無駄にならずしっかり自分の知識として身につくのですが…)
授業のレベルが低くわざわざ予習をする必要がない
自分の学力と比較すると授業のレベルが低すぎて、わざわざ予習するまでもないという理由で予習をしないこともあります。
先に塾や予備校で学校で習うことを先に勉強している人によく見られる理由で、基礎学力が高いので授業はいつもぶっつけ本番。でも、問題無くこなしているので予習の必要性を感じないのです。
ただし、この場合は塾や予備校の授業は言い換えれば学校の授業の予習になっているとも見ることができます。
しかし、塾の進行が早すぎる場合は学校で習うまでに時間が空きすぎて記憶があやふやになっている事もあります。
また、「塾で先に勉強しているから…」という慢心から学校の授業を真面目に聞かなかったり、先生自作プリントで授業するという変化に弱くなってしまうリスクもあります。
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定期テスト効率よく点数を取るための作戦
予習なんか無駄と考えている人にあるのが、定期テストを見越しているパターンです。
これは「この先生は授業で教えたところしかテストに出さない事で有名だから、予習なんかせず授業に出たところだけをノートにまとめて後で見返せばええやん」と考えているのです。
また、兄弟が同じ学校に通っていて自分の担当の先生のテストの傾向が分かる、先輩から過去問が手に入ってテストの傾向が授業に沿っている事がよくわかる、などの情報を持っている場合も「予習よりも授業と復習が大事」と考えることがあります。
学校生活は遊びに部活に趣味に…と忙しいものなので、予習の時間よりもテストの傾向や分析に時間を優先し、効率的に点を稼ぐために、あえて予習をしていないのです。
自分で勉強するよりも教えてもらった方が効率が良い
予習の仕方がよくわからない、いざ予習しようと問題を解いてみたけど全くペンが進まない経験した人の中には、「自分で予習しても全然進まないから、ちゃんと授業を聞いて理解してからもう一回解けばいいや」という理由で、予習をやらない人もいます。
とくに、数学の証明問題や英語の長文読解などの、単なる暗記問題とは異なり自分の言葉で説明するような問題だと、何も教えてもらってない状態ではなかなか答えられないものです。
また、今の自分の学力ではかなり難しい問題を見て「どう答えればいいかさっぱりわからんから、まずは授業で理解したほうがええな」と感じた問題が多くなるほど、勉強の効率は悪くなりがち。
わからないまま頭をひねり続けて時間も体力も消耗するぐらいなら、潔くわからないと認めて、その上で授業を真面目に聞こうという前向きさが予習不要論に含まれることもあるのです。
予習する科目が受験に必要ないから
進学校や受験が間近に控えている場合だと、受験に必要のない科目に時間を割きたくないから、という理由で受験に必要のない科目の予習をせず、国数英などの受験に必要な科目に集中するという勉強法をする人もいます。
理系の人が文系科目の予習をしない、文系の人が理系科目の予習をしない、というように、文理選択後は重点的にやるべき科目が絞られることから、「受験に必要な科目だけ勉強しとけば受かるから、それ以外の科目はしなくてもいい」と考え、予習すら手をつけなくなることがあります。
家庭科や保健体育、美術、音楽などの科目だと、大学でその科目の教員志望する人や、体育大・芸大・美大などの受験を検討している人以外は、どうしても後回しになりがちなもの。
体育や美術・音楽などの実技が必要な科目だと、予習しなくても全く問題ないという事もよくありますね…
単純に予習するのがめんどくさいための言い訳
ここまで真面目に予習が無駄だと考える人の理由について説明してきましたが、そんな真面目にちゃんと考えている学生・受験生ばかりではありません。
大抵は、
- 単純に予習するのがめんどくさい
- なんかもっともらしい理由をつけてサボりたい
という言い訳をするために、予習は無駄だという主張をすることがあります。
この理由で予習不要論を貫く人は大変タチがわるく、予習なしで挑んだ結果授業の内容がちゃんと理解できないという至極もっともな自業自得に陥る事も少なくありません。
また、普段から言い訳をするくせが身についてしまい
- 先生の教え方が悪いから理解できない
- もっとわかりやすい参考書じゃないとわからない
- この塾は私のレベルにあってないから行きたくない
と、自分の不勉強を反省するのではなく、いつも誰かや環境のせいにして嫌なものは見ないようにしないまま、ますます勉強ができずに落ちこぼれる原因になります。
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予習不要論を予習をサボる理由にしてはいけない
受験生の中には予習なんてしなても十分に基礎学力があるので復習さえしとけばいいというやり方で志望校に合格するケースはないわけではありません。
しかし、予習無しでも授業に支障が出ないというのは、それだけよそで勉強している、普段から本や新聞で知識を蓄えているために予習しなくてもいいほどの学力を既に持っているという背景があることを忘れてはいけません。
本当に予習が無駄かどうかはその人の学力や知識によって異なるので、予習なしの勉強法で成功したという話を聞いても鵜呑みにせず、なぜ予習なしでその人は成功したのか疑問を持つことが大事です。
また、予習なしでもOKという話を例えば某有名予備校の先生がテレビやSNSで言っている知ると、「予習をサボる理由が見つかった!」と喜び、「あの先生が言ってたんだから予習はしなくてもOK!」と、予習をサボるための言い訳として使ってしまうのは困りものです。
予習しなくても大丈夫なほど基礎学力があるのなら別ですが、単純に予習が嫌だ、勉強が嫌だという気持ちを正当化するために、有名予備校の先生の言葉を利用して自分を甘やかしたら、そのツケは自分に返ってくるのがオチなのです。