勉強のために睡眠時間を削るのがダメな理由

勉強に関するネタ

受験勉強や資格勉強のために睡眠時間を削って勉強時間を捻出する方法はありますが、時にその勉強方法が武勇伝や美談のように語られ、「自分も睡眠時間を削って勉強しなければ!」と自分自身にプレッシャーをかけて潰れてしまう人が後を耐えません。

実際に短い睡眠時間で勉強すると、しっかり睡眠時間を取った場合と比較して暗記の効率は下がりますし、体力が続かず何度も休憩を挟んだせいで実質的に勉強していた時間は短かった…なんて経験をした人は少なくないと思います。

今回はなぜ、勉強のために睡眠時間を削るのがダメなのか…その理由についてまとめました。

 

人間の脳は昼に働き、夜は鈍くなるもの

人間も動物の一種であり本能的に太陽が出ている日中に活動をし、日が沈んだ夜間は活動を抑えるようにできています。

それは勉強でも同じで、脳が働くのは太陽が出ている日中にかけてであり、この時間帯にしっかり居眠りせず勉強することが、勉強効率を上げるためには大事なのです。

逆に、日が沈んだ後の時間は体も脳も活動しにくくなり、そして眠気に襲われることから勉強の効率は下がってしまいます。

また深夜にみっちり勉強するためにカフェインを摂取するなどして無理に眠気を抑えてやる勉強方法も逆効果で、眠気を抑えて進めた分の疲労が貯まるだけでなく、無理にカフェインで覚醒させたことにより、睡眠の質が低下し、翌日以降の体調に響くのです。

 

 

睡眠時間を削れば達成感は生まれるが、それは「罠」

実際に睡眠時間を削って徹夜で勉強した人ならわかると思いますが、睡眠時間を削る勉強には妙な達成感や充実感があります。

「体力的にも辛くしんどい…けれど、そんな逆境を乗り越えて最後まで勉強をやりきった」という経験が、一種の成功体験となり自分の自信やモチベーションにつながってしまうことがあります。

 

しかし、ここで得られる達成感は、勉強の効率を上げるという点から見れば罠なのです。

冷静に考えれば、眠いのに無理して頑張って問題集を解くのと、きっちり寝て頭が冴えてる状態で解いた問題なら、後者の方が集中力も高くなりケアレスミスも防止できて、効率の良い勉強になるはずです。

ですが、睡眠不足により冷静な判断ができなくなり、実際は非効率的なのにも関わらず「睡眠時間を削った勉強の方が効果がある」と思えてしまうのが罠なのです。

 

人間は自分が辛く、苦しい思いをしたときに、その辛さが無意味ではなかったと都合よく思い込む心理が働きます。

それは勉強でも同じで、深夜のテンションに任せて睡眠や健康を犠牲にした勉強方法に対して何かしらの価値を見出し、その価値を失わないために非効率的な勉強方法を肯定したり、誰かに勧めようとするのです。

大学受験の合格体験記でよく見かける寝てない自慢は、そうした自分の(非効率的な)努力を無駄ではなかったと確認したい、誰かに認めてもらって褒めてもらいたいという心理の表れだと考えることもできます。

 

 

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 睡眠時間を削る勉強は明日に響く

睡眠時間を削る勉強方法の注意点は「明日の体調に響く」という点です。

睡眠不足の日は、なんとなく一日中体がだるくなり頭だけでなく体のパフォーマンスも下がってしまいます。

その影響は日中の勉強だけでなく、スポーツや仕事、食事にも睡眠不足の影響が出てしまい、その日一日を無駄に過ごしてしまいがちになります。

たかが2時間程度睡眠時間を削って勉強した結果、翌日のまるまる10時間以上の起きている時間を無駄にしてしまうのは、効率良い勉強を続けるという点から見てもあまりいいものではありません。

また、前述のように妙な達成感のせいで、コツコツ勉強するのでは追い込まれている実感がわきにくく勉強へのモチベーションや達成感が得られず、無意識のうちに睡眠時間を削るような効率の悪い勉強方法を選んでしまうことにもつながります。

辛いことを乗り越えた達成感のせいで、普段からコツコツやる勉強に対して魅力を感じなくなったりバカらしく感じてしまう…これが、睡眠時間を削る勉強方法が抱える問題とも言えましょう。

 

 

睡眠時間を削る勉強は継続が難しい

一夜漬けやテスト前の3日間だけ頑張った勉強では、一時的に記憶が定着しますがその後に勉強をやめてしまえば覚えた記憶は定着せず忘れ去られてしまいます。

勉強、とくに記憶を定着させるという点では「1日でどれだけ頑張ったか」ではなく「勉強量は少なくともどれだけ継続してきたか」が肝心です。

睡眠時間を削る勉強方法は1日や2日程度なら体力次第では、それなりに耐えられることもありますが、その勉強方法が数週間、数ヶ月と続けようとすれば次第に健康を損ない勉強どころではなくなります。

そもそも睡眠時間を削る勉強方法を数ヶ月単位で続けようと考えている人は(まず)いないと思いますが、健康を犠牲にし続ける勉強方法は基本的に長続きさせられないものですし、そんな長続きできない勉強方法を基本にした勉強習慣を立てること自体間違っています。

しかし、普段から睡眠不足に陥っていると考えられなくなるのが、睡眠時間を削る勉強方法の欠点に気づけず「このやり方こそ唯一の勉強方法だ」と思えてしまうのが、実に恐ろしいとも言えます。

 

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睡眠時間は確保した勉強方法を地道にしていくべき

1日に与えられた時間は24時間。これは老若男女関係なく同じです。

与えられた24時間では物足りず、次の日2時間(睡眠時間)を犠牲にして小さなプラスを稼いだとしても、その反動は寝不足に体調不良として自分の体に返ってくるものです。

勉強の計画を立てる上では、まず基本として睡眠時間は確保すること。しっかり睡眠を取り、万全の健康状態で勉強に望むことを基本とすることが大事です。

とくに睡眠時間についてとやかく言われなくなる、浪人生、大学生、社会人こそ睡眠時間の確保を最優先した勉強スケジュールを立てることが重要です。

一人ぐらしなどで親や家族からの干渉が無くなった分、自制心が緩み勉強に限らず夜ふかしが習慣になっているのであれば、時間の使い方を一から見直すようにしましょう。

 

日中の睡魔は、昼寝を活用して乗り越える

いくら夜にしっかり睡眠をとっているとはいえ、昼食後についウトウトしてしまうことは誰にでもあります。

その場合は、無理に起きようとせず適度に昼寝をはさんで眠気を解消させて勉強の効率を高めるようにするのが効果的です。

なお、昼寝の取り方については、以前書いた「勉強効率を上げるための上手な昼寝の取り方について」に書いていますので、そちらの記事を参考にしてください。