筆者がかつてバイトをしていた某ハンバーガーショップ「M」では、バイトをしながら浪人生活を送り、見事志望校に合格して上京された方がいました。
そのバイト先は接客やホールスタッフ(厨房)を育成するマニュアルが充実しており、地元の中学生が企業研修として訪れることもありました。
飲食バイトと言えば若者向けのバイトの鉄板。ハンバーガーショップやファミレスなどの大手チェーン店だと、シフトの融通も効きやすいので浪人生のバイト先の有力候補とも言えます。
また、何よりバイトを育てて一人前のクルーに仕上げる制度を、受験勉強にも応用できるよいう点が魅力的です。
今回はそんな飲食店のバイトと受験勉強に関するネタについてまとめました。
浪人中に飲食チェーン店で働くメリット
自分の成長を振り返る面談がある
筆者がバイトをしていたハンバーガーショップでは、定期的に社員の人とバイトの人との面談がありました。
面談では具体的に
- 接客スキルがどれだけ向上しているか。
- 他のバイトの人とどれだけ協力して仕事が出来ているか。
- 食品衛生や食の安全に関する知識がどれだけついているか。
- どれだけルーチンワークを間違わずに早くこなせるようになったか。
などのことについて自己評価をしたり、社員さんからの評価を受けて、今後どのスキルを改善していけばいいのか、自分の得意なことは何なのかを確認して今後のバイトに活かすために話し合いをしました。
自分のバイトとしてのスキルがどれだけ成長しているかを確認すると言ってもピンと来ない場合派、学校で言うところの二者面談のような機会だと思えばわかりやすいと思います。
もちろん、面談する相手は学校の先生ではなく一社員さんなので、今まで学校や家族以外で大人の人と話すことがなかった人からすれば緊張することもあるでしょう。
しかし、家族や学校以外で出会う大人の人と話す機会も、浪人の身分ではそう無いものなので、自分自身の人生経験を積むという目的でやってみるのはいい経験になります。
また、もしも大学で面接の試験があったときの話のネタや緊張しないためのトレーニングとしても、この面談は役に立つと思います。
振り返り面談は受験勉強にも応用できる
この一連の面談はバイトだけではなく、普通に社会人として働く時にも応用できる、とても初歩的且つ基礎的なものばかりです。
そして、応用すれば受験勉強にも使えます。
面談を模試とその自己採点に置き換えれば
- 今まで勉強してきたことがどれだけ成績に反映されているか。
- 今の自分の弱点や長所を知って、今後の勉強や模試(もちろん本受験にも)活かすためには何をしていけばいいのか。
という、浪人生活の振り返り、目標としている志望校合格に向けてやるべきこと明確にするという作業にも応用できます。
大抵のバイトは、仕事をして給料を貰ったらそれでおしまい、というものが多い中、その人自身の成長や更なる活躍に向けて適宜振り返りの機会を設けることの大切さを、ハンバーガーショップバイトでは学ぶことができました。
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一人暮らしを始めた時の料理スキルや栄養の知識も身につく
飲食店の場合食品を扱う以上は衛生面の知識を身に付けるのはもちろんのこと、
- 軽い調理補助
- 食品の安全な管理の仕方
- 火や油の安全な扱い方
- 包丁などの調理器具の簡単な扱い方
などの飲食店バイトにかかせない知識について教育を受けることがあります。
食中毒を起こした異物混入が起きてクレームが来たり、お店の信用を損ねないためにも、たとえアルバイトの身分であっても最低限の知識は叩き込まれるものです。
そして、この時に得た知識や経験は、大学合格後に一人暮らしを始めた時に効果を発揮します。
飲食バイトで包丁を使って軽く料理をした経験があるだけでも、自炊のレパートリーが増えて楽しい大学生活が送れるもの。
飲食バイトでなれば包丁や鍋はおろか厨房にすら入ったことがなかったという人も多く、簡単なものでも自分で調理して美味しい料理が楽しめることができるという点で、飲食バイトは浪人生活中にやっておくのもアリだと思います。
まかないや試食で食費が浮く
飲食店によっては、アルバイトをしていると自分の店の料理が無料で提供される…つまり「まかない」が出ることで食費が浮くことがあります。
また、新商品が出たときは作り方や商品の特徴を確認するために試食をする機会があったり、普段から食事補助としていくらか割引された価格で店のメニューを購入することができます。
ちなみに、某ハンバーガーショップのバイトの場合だと、30%引きでセットメニューを購入することができるという仕様でした。
大学入学後のバイト探しに有利
晴れて大学入学が決まった後に、新たなにアルバイト先を探す時にも「飲食バイト経験者」という経歴はいいアピール材料になります。
飲食バイトはバイトの華形ですが、ピーク時間の労働量はなかなかにハードで、多くのお客さんや注文を裁くスキルが求められるもの。
それらの経験を一通りしてきている経験者ともなれば、新しくバイトをする時にも雇う側から見れば「この人は過去に飲食バイトの経験があるから安心して仕事を任せられる」と好材料として見てもらえるので、何かと有利です。
また、大手チェーン店の場合、大学合格を機に上京して今まで勤めていた地元のバイトに行けなくなっても、上京先にある同じチェーン店でそのままバイトを続けることも可能です。
一から応募してバイトをする手間が省けるだけでなく、時給もアップした状態で引き継げて働くことができるので、今までのバイト経験を無駄にすることなく働くことができます。
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でもやっぱり浪人生はバイトより勉強がメイン!
ここまで飲食バイトの魅力について書いてきましたが、最後に言っておきたいのは浪人生活はバイトよりも勉強がメインということです。
大学の学費や予備校の授業料、講習の費用などを自分で工面することは素晴らしいことですが、飲食バイトは
- お客さんが多いピーク時間に入ると疲れやすい
- 同年代の若い人が多く、コミュ障浪人生の場合ストレスを感じやすい。
- 接客業務で人間関係のストレスを抱え込みやすい(クレーマーとか)
- ワンオペのように、は少ない人数で営業している体制もある。
- お酒の出る店だと、酔っ払った人の相手をしなければいけない。
などの飲食店ならではのデメリットがあることも忘れては行けません
また、24時間営業で深夜帯に入る、居酒屋などの夜間だけ営業の店でバイトをする場合は、時給の良さと引き換えに、大事な睡眠時間を削って勉強に差し支えることもあります。
浪人中に飲食店のアルバイトを始める時はメリット・デメリットをよく考えて決めること。
そして、もしも成績や睡眠時間に影響が出始めたら、シフトを調整したりバイトそのものを辞めて、勉強に集中できる環境作りをするようにしましょう。
当然のことですが、晴れて大学に合格すれば飲食バイトをもっと気軽にできますし、勉強のことを(それほど)気にしなくても夜勤を経験することもできます。
急いで浪人中にバイトをしなきゃという気持ちにならず、まずは成績を安定して伸ばすことを軸にしたスケジュールを組むようにしましょう。