公立中高一貫校の適性検査では、ほぼどの学校でも作文問題が出題されます。
作文の文字量は目安としては原稿用紙半分(200文字)~1枚分(400文字)程度であり、大抵は国語の試験の最後の設問として出題されます。
試験時間が50分とした場合、当然ながら作文だけに30分も時間をかけてしまっていては、他の問題に手がまわらなくなりますし、かと言って作文問題を捨てて白紙で提出するわけには行きません。
作文問題は丸暗記や知識の詰め込みですぐにできるようになならない問題なので、日頃から自分の気持ちや感じたことを文章にしたり、他の人が読んでもわかりやすい文章を書く練習をして、苦手意識や減らしたり短い時間でしっかり文章を書く能力を身に付けることが重要です。
今回は、そんな適性検査の作文対策に関する知恵について、まとめました。
まずは志望校の過去問を見て傾向を把握する
適性検査で出題される作文問題は、志望する学校によって
- 文字数
- 出題形式
- 文章の組み立て方(賛成・反対かを聞く問題、自分の経験を例にして書く問題など)
- その他細かいルール(名前は書かない、段落を変え方など)
が、微妙に違ってきます。
対策としては、普通の受験対策と同じく、過去問をチェックして志望する学校で過去にどんな作文問題が出題されていたのかを確認することが大事です。
確認する目安は過去3年分。学校の公式ホームページや本屋で売っている赤本(過去問集)で、実際にどんな問題が出題されていたのか、作文を書くときのルールについて調べておくようにしましょう。
文章力をつけるための勉強法
日記を書く
最初から原稿用紙いっぱいに文章を書こうとしても、多くの子供にはレベルが高すぎて挫折してしまうものです。
ですので、作文に慣れさせるという意味では最初は簡単な日記でいいので、毎日自分で文章を書く習慣をつけるのがいいでしょう。
なお、日記を書くときは
- いつの話なのか
- どこで起きた話なのか
- 誰に関する話なのか
- 一体どんな出来事が起きたのか、なぜそれが起きたのか
- その出来事について何を感じたのか
と、5W1Hを意識した日記を書くようにしましょう。
新聞・ニュースの要約
作文問題では政治、経済、地元に関するニュースなどの時事ネタや社会情勢に関するテーマが出題されることがあります。
時事ネタに強くなるためには、実際に新聞やニュースで知った情報を、自分なりの言葉で短くそしてわかりやすく文章でまとめてみる(=要約)練習をするのが効果的です。
もちろん、読めない漢字や意味の分からない単語が多いかっちりとした新聞ではなく、子供向けの新聞に載っているニュースやNHK教育のニュース番組でもOKです。
最初から難しいニュースの自分が理解できる、興味のあるニュースでもいいので、自分の文章短くまとめてみるようにしましょう。
ちなみに、要約問題は作文と一緒に出題されることもあります。作文問題と要約問題の両方の勉強になる一石二鳥の勉強とも言えます。
正しい漢字を覚える
作文問題で正しくない漢字や書き順が違うを書いてしまえば減点の対象になります。せっかくいい文章が掛けていても、漢字のミスで減点されてしまうのは非常に残念です。
ですので、文章を書く練習をするのいっしょに、漢字ドリルで正しい漢字の書き方も勉強したり、漢字検定を受けて漢字の知識を身につけるのがいいでしょう。
漢字の知識は作文だけでなく、国語以外の記述問題でも使う全ての勉強の基本でもあります。しっかり勉強しておけばその分ミスが減り、より合格に近づけるようになります。
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自分の経験や思い出を例にして文章を書く
適性検査では、子供自身の経験や小学校での思い出を例にして、出題されたテーマの作文を書くという問題がよく出題されます。
例えば、
- 小学校でどんなことを頑張ったのかを自分の経験を書いて説明しなさい。
- 自分の長所と短所を書きなさい
- 友達や家族について自分の経験をもとに書きなさい
など、子供自身の経験や思い出をもとに作文を書く試験は、受験する子供にとって書きやすいテーマであり、またその子供の性格や考え方などをよく知ることができる試験向きの問題です。
さきほど紹介した「日記を書く」と組み合わせて、より自分の経験や思い出を詳しく具体的に書いてみる練習をするようにしましょう。
文章の内容に関連を持たせた文を書くようにする
適性検査で解答する作文は、ただ自分の感想や考えをなんのつながりもなく、ただ書き足すように書いていては減点の原因になります。
ただ書きなぐるような文章ではなく、文章や段落の内容は関連を持たせたものでなければ、読む人も、書いた自分自身も一体何が伝えたかったのかわからない文章になってしまいます。
そうなるのを防ぐためには文章を書き始める前に、
- 書きたい文章のテーマ
- 文章の構成
- 自分が作文で伝えいたいこと
- 作文に使えそうな自分の経験、思い出
などの作文を作るのに必要な材料を準備することが大事です。
作文は試験の中でも非常にめんどくさいために、思いつきで一気に書き上げることで時間を短縮したいと思うこともあります。
しかし、なんの準備もせずに書き始めたら途中で文章が思い浮かばず手が止まってしまったり、ただ原稿用紙を埋めるためだけにダラダラとした文章になってしまいます。
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作文の文章構成は3つで考える
作文を作る上では「起承転結」のように文章の構成を書く前に考えておくことが大事です。
その構成としてよくあるのが
- 最初に自分の意見を簡単に書く
- その意見の根拠となる自分の経験や思い出を書く
- (2)を受けて、最後に結論や自分の意見を書く
という、3つの構成で考えて、それを作文にしていくというものです。
例えば、「いじめをなくすにはどうすればいいのか」というテーマで作文を書く場合は
- 「いじめをなくすためには○○をするのがいいと思う」という主張をはじめに書く。
- 「○○をするのがいい」という意見を説明するために、実際に起きたいじめの経験を書く。
- (2)を受けてもう一度主張を書く。また(1)で説明しきれなかったことを書いて、文章の説得力を強くする。
という構成で書くと、読む方もわかりやすく、また自分で読み直しても理解しやすい文章になります。
公立中高一貫校適性検査対策問題集 作文問題編 (公立中高一貫校入試シリーズ)