公立中高一貫校の受験に向いている子の特徴

中学受験

前回の公立中高一貫校のメリット・デメリットに関する記事でも触れたように、公立中高一貫校は

  • 学費が安い
  • 進学や進路指導関するカリキュラムが特徴的
  • 中高で計6年間通うで友達、先生などの人間関係の変化が少ない。

などの、普通の中学・高校では見られない特色があります。

この記事では、そんな公立中高一貫校への受験に向いている子供の特徴についてまとめています。

 

公立中高一貫校に向いている子の特徴

自分の意見や考えを述べるのが得意

公立中高一貫校における入学試験(=受験)は適性検査と呼ばれています。

適性検査と呼ばれているのは、単純に暗記や詰め込みのような受験のための即席の学力を測るのではなく、その子の性格、考え方、勉強への意欲・関心・態度などが学校にとって適正化どうかを検査する場だということを示しています。

そんな適性検査では大抵の場合、筆記試験の他にも小論文(作文)作成や面接が課されることがあります。

ただの暗記した知識を問うだけでの試験で決めるのではなく、小論文や面接などで自分の意見や考えをまとめたり、どこかから借りてきた言葉ではなく自分の経験や根拠に基づいて伝える総合的な技術をみて、入学に適正かどうかを見極めるという思惑が隠れているのです。

ですので、

  • 日頃から家族や友達、先生に対して自分の考えを説明するのが得意な子
  • 自分の興味のある分野(勉強・スポーツ・趣味など)に対して他人わかりやすく説明するのが得意な子

などは、まさに公立中高一貫校に向きと言えます。

 

リーダーシップがある

多くの公立中高一貫が出来た裏には、先行きが見えない昨今の社会情勢に対してただ前例踏襲したり受身の姿勢で学ぶのではなく、自分の意思で学んでいきリーダーシップを取れる子供を育成したい、という思惑があります。

ここでいうリーダーシップとは、例えば

  • 地域の少年スポーツでキャプテンをしていた。
  • 小学校の班活動で班長になり、集団をグイグイ引っ張っていった。

などの、「集団の中でトップになる」のようなよくあるリーダー像に限らず、

  • 先生に対して積極的に勉強に関する質問をした。
  • 学芸会(文化祭)などで進んで裏方作業に立候補して、主役を盛り上げる演出を考えた。
  • 自分一人で学校外の活動(インターネット上も含む)に参加し、交流を重ねた。

といった、一見すると目立ちにくいけど、自分の意思で積極的に動いているリーダー像も含まれています

 

リーダーシップがある子供とは、必ずしも集団を率いたり、巻き込んでいく能力のみを指しているのではありません。

自分の興味や関心のあるものに対して、一人でも行動できる、地域の大人や集団に対して関わろうとしていく積極性を指しているのです。

 

学校の特色やカリキュラムに興味がある

公立中高一貫校はよく私立中高一貫校と比較されることがありますが、私立との違いは学費の他にもそのカリキュラムにあります。

例えば、公立中高一貫校に通うことで受験以外の学問の知識…例えば

  • 地域が抱える人口問題や産業の課題
  • これからの時代に求められる英語のコミュニケーション技術
  • 外部の大学や企業、団体と連携したキャリア教育、進路教育

などの、変化が激しい時代に合うような、より実践的なカリキュラムを組み、受験や詰め込み一辺倒とは違うカリキュラムで指導している学校もあります。

これらのカリキュラムに対して、より自分から積極的に取り組んで行きたい、机の上での勉強以外に学びたいことがある、といった探究心や向学心のある子供こそ、公立中高一貫向きと言えるでしょう。

 

もちろん、普通の公立中学・高校に進む場合は、これらの独自カリキュラムを履修しなくてもいい分気楽に通うことができます。

また、学校によってはカリキュラムの内容が全く異なることもあるので、事前によく調べたり学校説明会などで確認しておくことが大事です。

 

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部活動や学校活動に打ち込みたい

中学から高校へ無試験で進学できる分、高校受験のために拘束される時間が減り部活動や学校活動(文化祭・体育祭・生徒会活動)に費やすことができます。

なお、部活動では形の上で引退し、公式試合に出場不可になることはあります。

しかし、引退したからといって練習をストップし学校生活を受験モードに切り替えるのではなく、高校に進学までの間は部活で練習をしつつ、進学時にブランクなしで公式試合に参加できるのが中高一貫校の魅力です。

 

ただし、公立中高一貫校であっても、進学の際に簡単な試験や面談などがあり、誰もが必ず内部進学できるわけではない学校も存在しています。

志望する学校が、進学の際に何かしらの試験が必須かどうかは、各校のホームページや学校案内などの資料を事前に確認して把握しておきましょう。

 

中学時代の人間関係がそのまま高校でも続く事に耐えられる

これは私立や国立でも同じですが、中高一貫校は高校受験で人間関係がリセットされることなく、そのまま引き継がれるという性質があります。

今まで仲が良かった友達と進学しても離れることなく遊んだり、新しい環境でも顔見知りの人が多く安心できるのが魅力的ですが、一歩間違えると進学しても自分のキャラやスクールカースト内での立ち位置が変わらないまま、学校生活を送ることになります。

わかりやすく言うと中高一貫校の場合、普通の高校ならある「高校デビュー」がしづらくなります。

 

なお志望する段階では、どんな人が自分と同じクラスになるのかまでを予想することはまずできないものです。

「人間関係が変わらず、自分が嫌だと感じるキャラが固定されてしまう」事になっても耐えられる覚悟があるかを確かめるようにしましょう。

 

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志望する公立中高一貫校の情報を親子でよく調べて考える

志望する公立中高一貫は、親と子供両方が一緒になって調べたり、「本当にここに6年間通ってもいいのか」についてよく考える必要があります。

学校説明会の他にも、文化祭・学園祭・体育祭などの学外の人も招いた場に足を運んでみて雰囲気を確かめてみたり、塾などで志望校にかよっている先輩や知り合いを見つけて、学校生活の生の様子を聞いてみて判断してみるのがいいでしょう。

 

ちなみに、筆者が中学受験を考え始めた2000年代始めは、まだ公立中高一貫校は少なく私立校の方がお受験の定番でした。

しかし、現在では中学受験は私立だけでなく公立校でも、私立に引け劣らない進学実績を残していたり、卒業生がビジネスや学問の場で成果を上げるようになってきており、公立だからといって私立より劣っている時代は、もう昔の話のように感じます。