進学校の進学実績から調べる、進路指導が充実している学校の見抜き方

進学校

進学校の中学・高校受験を検討している時に、まず注目するのは志望する学校の進学実績だと思います。

現役・既卒含めどれだけ偏差値の高い大学の合格者数を出しているのか。また、学部の中でもとくに偏差値の高い医学部の合格者数がどうなっているかは、受験する学生さんも親御さんも気になる情報でしょう。

  • 「現役生が東大・京大(あるいは早慶など)に○人受かった」
  • 「現役で医学部生に○人受かった」

といった華々しい在学生の功績は、少子化で苦戦を強いられている進学校(及び塾・予備校)なら、まさに喉から手が出るほど欲しい好材料とも言えます。

 

一般的には「偏差値の高い大学・学部の合格者数が多い=進路指導が充実している」と考える人が多いですが、実はそうではありません。

もちろん、学校の進学実績は特に進学校ともなれば学校選びの指標となりますが、そればかりを見ていては、本当に志望する学校が様々な進路に対応できる指導力のある学校かを見抜くことはできません。

今回は進学実績から調べる、進路指導が充実している学校の選び方についてまとめました。

 

偏差値が高い進学校=進路指導が充実とは言えない

一口に進路指導と言っても、進路指導とはなにも偏差値が高く名が知れている国公立・私立の大学に絞って在学生を入学させることばかりではありません。

進路指導は、ただ偏差値の高い大学に何としてでも在学生を入学させることではなく、たとえ世間的には無名の学校であっても、生徒が希望する大学、学部、研究室に対して、しっかりサポートできているかが肝となります。

 

その例として、どちらも在学生の数が同じだと仮定して

  • 在学生の大半が旧帝国大や有名私立への進学を希望している学校
  • 在学生が旧帝国大、有名私立の他にも無名の地方校や私立大への進学を希望している学校

とでは、後者の方が前者と比べて進路指導をする先生の負担は増します。

在学生の進路がどれも似通っており、また過去の卒業生と同じ進路を歩む学生が多いのなら、進路指導にかける負担は軽くて済みます。

しかし、在学生の進路が多様化すれば、新たに志望している大学の試験や特色を分析をしたり、学生に向けての情報集めをしていく必要があります。

 

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進路指導の充実は合格校の種類の豊富さで見る

ホームページや学校案内で見られる進学実績から進路指導の充実具合を調べるには、どれだけ幅広い大学に合格しているかという点に基づいて見ていくことが肝になります。

 

例えば、その年の卒業生且つ大学に進学した学生が200人として

  • 旧帝国第80人、有名私立80人、医学部40人
  • 旧帝国第40人、有名私立40人、医学部40人、地方国立50人、地方私立25人、美大・芸大5人

の場合、後者の方がより在学生の多様な進路に答えることができる進路指導が充実している学校と言えます。

 

京都や大阪などの進学校なら、京大、阪大、神戸大、関関同立などの地元の有名大学の他にも、近畿地方から離れた地方の国公立・私立大学の合格者が1人ずつでもいいから、ポツポツといるかどうかを注目して見ていくことが大事です。

また、より進路指導が充実しているのかを見るには、文系・理系別の詳細な進学実績や卒業生の合格体験記を参考にしてみるのもいいでしょう。

 

大学選びの時に「我が校では名前の知られていない地味な大学への進学してますよ」とアピールされても、どうしても派手な宣伝にはなりにくいものですし、なにせ地味なのでどうしても注目されにくいものです。

しかし、そういった注目されにくい材料でも惜しみなく出している学校は、それだけ在学生の進路指導に対して手厚くサポートできる体制が整っている事を暗に示しているのだ考えることもできます。

 

また、公立中高一貫校や進学クラスのある公立校の場合、塾や予備校に通わせるだけの教育費が出せない家庭の子が通っていることも多いものです。

複雑なバックグラウンドを持つ子供の多様な進路にもちゃんとサポートしているかという点で、よく調べておくことが大事です。

 

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私立の大学合格者数には「水増し」されていることもある

進学校にはネット上で自虐ネタとして使われている「自称進学校」という、およそ進路指導が充実している進学校と呼ぶには程遠い学校だったという情報も数多く投稿されています。

有名大学への合格者数を重視するあまりに、とにかく有名大学になんとしても受からせようと生徒の意見を無視して進学実績を作ろうとしたり、進学実績の水増しのために複数の私立校への受験を提案して、見かけ上の進学実績を強調して宣伝しようとします。

 

私立校は併願受験が可能であり、実力のある学生なら1人で複数校の学校を受験して実績を作ったり、センター利用などで受験の挑戦回数そのものを増やすことで、私立校に合格したという実績を増やすことができます。

しかし、複数の私立大学に合格しても最終的には1つに絞らなければなりませんし、合格者数はあくまでの「のべ人数」であり、あたかも多くの在校生が合格している…のだと勘違いしないことが大事です。

 

進路指導に関してオープンキャンパスで聞くのも手

進学実績は学校のホームページを見れば大抵データを公開していますが、進路指導は実際に学校説明会やオープンキャンパスに行って話を聞いたり、質問をして確認することが大事です。

もしも、オープンキャンパスが無理なら兄弟や親戚、友達、塾や予備校などで志望する学校に通っている人がいれば、進路指導が充実しているかどうか、進路指導の時に先生が生徒の主張を無視して一方的な指導になっていないかなどの情報について、詳しく探ってみるのでもいいでしょう。

 

進路指導は、パンフレットなどではどうしても宣伝の意味もあり有名大学への数字それに関する進路指導ばかりが強調されますし、多くの人はその情報を求めるものです。

しかし、進路指導が本当に充実している学校であれば、薄いパンフレットに収まらないほどの情報やノウハウが、学校や先生、卒業生の間で共有されているものです。

自分が本当に入学を希望しているのであれば「ちょっと、図々しい人やと思われるんちゃう?」と感じても、出し惜しみせず積極的に調べたり、聞く姿勢をもつのが大事です。

 

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written by
勉強の知恵袋 編集部

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