英単語や古文単語など、普段の生活で使う場面がまず無い単語を暗記するのはなかなか難しいものです。
単語の知識はテストや受験で必要では必要な知識とは言え、覚える量はどうしても膨大になりますし、単語によっては複数の意味があって、一度で暗記しようとしても挫折することは少なくありません。
また、暗記という勉強そのものは、実に地味な単純作業の繰り返しになるので「勉強しなければいけないのはわかっているけど、どうしても暗記へのやる気は湧きにくい」と感じて、暗記が進まない人も多いでしょう。
加えて、実際に受験の場合だと、ただ暗記するだけで点数に結びつくわけではありませんし、暗記以外にもしておくべき勉強(例えば英語なら、文法、構文、長文読解、英作文、リスニング等)もあり、できれば暗記ばかりに時間を割くような勉強にならないように、効率的ににこなしていく大事です。
今回は、できるだけ暗記を効率的に行うためのコツについてまとめました。
効率的に暗記するための勉強のコツ
基本的に暗記は勉強の中でも、とりわけ地味で単純作業の繰り返しになりがちです。
そんな勉強を長時間も続けるのは大抵の人は苦痛や退屈を感じるものですし、途中で集中力が切れてしまうのも無理はありません。
もちろん、そこで頑張って「地味な暗記の勉強をやり抜いた!」という成功体験を重ねる事は大事かもしれませんが、成功体験の得たものの、実は暗記の効率が落ちてて非効率的な勉強をしていたのでは困りものです。
地味な面倒な作業だからこそ、効率よくこなすことが暗記をする上では欠かせません。
短時間でもいいから単語集を開くことから始める
暗記の基本は短時間でもいいから高頻度で行うことが基本です。
例えば、数ページ分の英単語を暗記するために使える時間が合計30分あるとして、
- A:1セットが3分の勉強を10回で繰り返す。
- B:1セットが30分の勉強を1回で繰り返す。
の2種類の勉強方法で暗記をしようとします。(※ただし、時間の長さに関わらず、1セットで必ず数ページ分の単語に触れるものとする)
この場合、Bの方は時間をかけてじっくり勉強しているので、暗記した記憶が定着しそうに見えますが、実際により記憶に残りやすいのはAです。
その理由は、短時間でも同じ情報を何度も目にすることができるAの暗記の方がより記憶に定着しやすいからです。
この仕組みをわかりやすく理解するために人間関係に置き換えると、
- A:ある人と1日3分間、1ヶ月(30日)間ずっと会って話す。
- B:ある人と1ヶ月のうちのある1日で90分だと会って話す。
というケースの場合、記憶に残りやすいのは、短時間でも毎日合っていたAの方なのは、簡単に想像できるはずです。
10分の通販番組よりも15秒のCMで何度も顔を見かける人の方が記憶に残りやすいのと同様に、暗記は短時間・高頻度で行うことで効率を上げることができます。
CMの場合、暗記しようと思っていなくても、自然と顔やフレーズが頭に浮かんで嫌でも記憶に残るもの。暗記もこれと同じようにできるだけ自然に覚えれるようになるのが理想です。
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一度で全部覚えようとしない
暗記は効率が大事とは言いましたが、効率を重視するあまりに、一度で全ての単語を覚えようとするのはかえって逆効果になることがあります。
もちろん、一度できっちり暗記できたら、その分余計な繰り返しの勉強をする手間が省けるので、効率化になるのはその通りなのですが、実際は一度で覚えようとするとどうしても長時間の暗記になり効率が下がります。
ですので、暗記をするときは「一度で全部覚えきれなくてもOK」という、ゆるい考え方からスタートするのが効果的です。
例えば「短時間でも最低7回以上勉強してで単語集を暗記する」という計画を立てた場合は、
- 最初の1、2回目は暗記する単語に触れる目的で勉強する
- 3、4回目で単語の意味が言えるか確認する目的で勉強する
- 5、6回目で記憶の漏れをチェックして重点的に暗記する
- 7回目以降は既に覚えた単語の他の意味も覚えておく
というように、前半は軽く、後半に集中して暗記するやり方がいいでしょう。
最初からきっちり暗記しようと、単語をノートに書き取り作業をやるのでは、どうしても暗記の作業が進みづらく、時間が経って復習で振り返ってみると勉強時間の割には実は記憶に残っていないことに落胆して暗記そのものが嫌になる…なんて経験をした人も多いはずです。
そのような経験を避けるためには、最初から完璧に暗記しようと意気込んでハードルを上げるのではなく「最初は軽く読むするつもりで…」とハードルを下げて取り組みやすくすることが効果的です。
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書き取りだけでなく音読も併用して暗記すべし
暗記と言えば、単語集をノートに書き写したり、暗記用の赤い下敷きを使って覚えているかどうかをチェックするのが基本だと思います。
しかし、それらの暗記方法派どうしても「作業」感覚になりがちで刺激が少なく記憶に残りにくいという欠点があります。
スマホゲームやソシャゲーでも、イベント限定アイテムを手に入れるためのマップ周回だと、純粋にゲームを楽しんでいるのではなく「作業をしている」というつまらなさを感じるのと同様で、作業感のある暗記は苦痛やめんどくささを伴うものなのです。
ですので、書き取りや下敷きでチェックする暗記が面倒になってきたら、音読をしたり、体を動かしながら(ストレッチ・筋トレなど)暗記をするなどの刺激を加えて暗記をしていくことも大事です。
音読の場合は「耳」から単語の情報を聞けるので、音声として記憶に残るだけでなく、リスニングの試験の勉強としても活用できる一石二鳥のメリットがあります。
もちろん、音読などの新しい暗記方法にも作業感が出てきたら、今までやっていた書き取りなどのやり方に戻ってもOKです。
暗記の方法は変えても暗記する単語集は変えてはいけない
ただし、暗記方法を変えても使う単語集や参考書は、最後まで同じものを使いつづけることが大事です。
単語集に載っている単語を全部覚えきれないうちに目移りする癖がつくと、そのほかの勉強でも最後までやり遂げずに途中で挫折してしまう癖が付いたり、挫折していることに目を背けて自分を正当化する癖がついてしまうリスクがあります。
受験勉強のように、地味で退屈で作業感が強いことほど、不安から評判の単語集や参考書に関する情報に対してどうしても敏感になり「この単語集を買えば成績が伸びるに違いない」という都合のいい妄想をしてしまいがちです。
本屋に行けば新品でさも「成績アップにつながりますよ!」と謳い文句や有名予備校講師の太鼓判が押された本が並んでおり、つい買いたくなるのもわかりますが、そこで誘惑に負けず最初に決めた一冊をやり遂げるのが暗記の基本です。
「これをやりきる!」という単語集を一冊決めたら、暗記方法は変えても、ちゃんと最後までやりきって、確実に知識を自分の頭に定着させていくようにしましょう。