大学受験や資格のための勉強でよくありがちな失敗談として「参考書を何冊も買ってしまう」という行動が挙げられます。
例えば、大学受験で数学対策のために、数学の鉄板であるチャート式だけでなく、センター試験用の参考書であったり、大手予備校が出している問題集など、同じ数学の参考書を衝動的に買ってしまう…という具合です。
しかし、たくさん買った参考書も買ったときは「よし、これで頑張るぞ!」と気合を入れていたのに、気が付けばどの参考書も最初の数ページやっただけで挫折してしまい、ただの無駄遣いだったという、悲しいオチは受験あるあるです。
では、どうして参考書をこうも衝動的に買ってしまうのか…その原因と対策について説明していきます。
どうして参考書を買いすぎてしまうのか
参考書を買いすぎてしまう人にはいくつかの特徴ががあります。
その特徴はというと、
- 参考書を買うことで頭が良くなったと感じている。
- 勉強へのモチベーションが参考書を買った時点でピークを迎え、その後下降してしまう。
- 参考書を少し読んでもすぐに他の参考書のことが気になってしまい買ってしまう。
- 不安やストレスに襲われる、気持ちを落ち着けるために参考書を買ってしまう
- いろんな参考書を持っていれば、いつか役に立つだろう…という甘い見通しがある。
などの特徴が見られます。
これらの行動は、日頃から受験や試験などのストレスを強く受けている受験生によく見られる、一種の逃避に近い行動であったり、ストレス解消の行動とも見ることができます。
しかし、参考書は買っただけで勉強に使わなければ学力向上には効果がありません。
ただ衝動的に、不安を払拭するために参考書を買いあさっても、学力向上には繋がらないという事実を肝に銘じておく必要がありますね。
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参考書の買いすぎによる失敗の例
同じ分野の参考書を買うだけで満足して勉強しなくなる
参考書を衝動的に買う人は、参考書を買って実際に勉強をするよりも、参考書を買うことで精神的に満足してしまい、これっぽっちも勉強しないという悪い癖が身についていることがあります。
参考書を手に入れるだけで自分は賢くなったと錯覚してしまい、実際に参考書を読んだり問題を解き続けることまで至りません。
そんな事をしていると、当然ですが模試を受けても成績・偏差値が上らないのはいたって自然なことですが、自分の成績が上がっていないことでパニックになってしまい、更に衝動的に参考書を買ってしまう…という負のスパイラルに陥ってしまうことがよくあります。
参考書を買うだけで満足する
→実際に勉強してないので成績は横ばいor下降
→パニックになって更に参考書を衝動買い
→参考書を買うだけで満足する…
というスパイラルから脱却しない限りは、時間とお金をただ無駄に費やすだけになってしまいます。
買った参考書は1冊もやりきらず途中で挫折する
参考書を買っても最後までやりきらず途中で挫折してしまうタイプの人の、参考書をたくさん買ってしまうことがあります。
参考書を最後までやりきれない人は、途中で参考書に書いてある内容がわからなくなり挫折下後に、参考書のための参考書はないかと買い漁ったり、「自分にはもっと向いている参考書があるに違いない」と感じて、参考書の衝動買いを繰り返します。
勉強で大事なのは、地道な反復練習を繰り返すこと。
参考書でいうのなら、途中で使うのをやめて他の参考書に移るのではなく、まずはこれという1冊を決めて最後まで参考書をやり通すことです。
途中で挫折して他の単行本に目移りしてしまうタイプは、いつまでたっても反復練習ができないので、学力の向上はあまり期待できません。
参考書ソムリエになるが成績に結びつかない
受験生の時に「あの参考書はいい」「この参考書は難しすぎてダメ」と参考書に対してやたらと詳しい人がいませんでしたか?
いわゆる参考書ソムリエのような人で、やたらと参考書に詳しく、参考書選びの時に頼んでもいないのにアドバイスをしてきたり、勝手に参考書について語りだすタイプの人も、あまり学力に結びついていないことが多々あります。
これは、参考書をたくさん買って目を通しているために、参考書に関する知識はあるものの、じっくりと問題を解いたり読み込んだりしていないので、学力に結びつかず参考書を見る目だけが肥えてしまっている状態です。
参考書ソムリエは自分がどれだけ参考書に詳しいかを周囲にアピールすることで承認欲求を満たそうとしますが、地道に参考書を使って勉強して成績を上げることよりも、自分は参考書に詳しいとアピールすることで手っ取り早く承認欲求を満たそうとする心理が働いていると見ることもできてしまいます。
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参考書選びで気をつけるべきポイント
参考書はまずは1冊だけ買ってやりきるようにする
参考書を使って勉強するときは、まず1冊だけを選んで、それを最後までやりきることが肝心です。
例えば合計で300問ある数学の参考書なら、1日10問を目安に1ヶ月で1周する。1周目が終わったら2周目、3周目…と、同じ参考書を何度も繰り返して解くことが基本です。
英単語の暗記カードを何周も繰り返して使うように、参考書もまずは1冊だけを選んで集中的に繰り返す、しっかりと知識を定着させていくことこそが重要です。
何周も繰り返して参考書を使うことで、2周目以降は「あ、この問題の解き方はこの前やったからできる」という、確かに自分が進歩している、着実に学力が身についているという実感が湧くことで勉強へのモチベーションが上ゲルことができます。
また、1冊の参考書を何周もやりきったことで、複数の参考書を場当たり的に使うのと比較して、「自分はこの参考書を最後まで勉強で使い倒した」という確かな自信を身に付けることもできます。
参考書の次は自分が受ける大学・資格の過去問にとりかかる
ある程度参考書を繰り返して解いたら、次第に物足りなさを感じて他の参考書をしてみたい…という欲が出てくることがあります。
しかし、そこで次の参考書に映るのではなく、自分の志望校の過去問やセンター試験などの受けなければいけない試験の過去問に取り掛かるようにしましょう。
参考書はあくまで参考書であり、自分の目指している志望校と問題の内容や傾向が合っている、とケースはあまりありません。
もちろん、東大や京大などの多くの人が受験する有名大学の場合は、その大学に特化した参考書が出ていることもありますが、それ以外の場合は自分の志望校にあった参考書を探すよりも志望校の過去問を繰り返して解く方が効果的です。
志望校の過去問を繰り返して解くのは、志望校の問題の傾向、点数の配分、時間の配分などの志望校合格のための実践的なテクニックを学ぶための最短ルートなのです。
自分の志望校が、例えば英語での小論文を毎年出題してきている、ということがわかれば、英語の小論対策のための勉強をしておけば得点につながるということになりますね。
参考書の繰り返しが基礎なら場、過去問の繰り返しは応用編という具合です。
もちろん、過去問を解いていく中ですこし基礎が怪しい部分が出てきたら、その場合は参考書に戻って、見直して見ることも大事です。
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参考書をたくさん買う人はそれだけ不安で自信がないという見方も
今まで参考書をたくさん買ってしまう人を何度か見てきましたが、共通していたのは「自信がなく、不安を抱えている」ということでした。
受験や資格試験は、自分の将来やキャリアを決めるために行うもので、当然ながら全員が自分の目標としている試験を突破できるわけではありません。
多かれ少なかれ「ひょっとしたら落ちるかも知れない」という不安を抱えながらも、勉強をして少しでも合格に近づくために努力をしているのです。
しかし、努力をしている最中も「本当にこの参考書だけで大丈夫なんだろうか…」という不安がふとした時に出てきてしまい、その不安を勉強をして解消するのではなく、参考書を買うことで解消しようとする人ほど、参考書を衝動的に買ってしまうという行動がよく見られます。
参考書を買ったあとは「これだけ買ったら合格できるだろう」と満足していますが、実際に勉強に移さなければ合格できる確率を上げることにはつながりません。
参考書を衝動的に買ってしまう人は、不安やストレスを参考書を買うことではなく、勉強をして着実に知識を身につけていくことで上手に不安と飲み込まれないようにしていく事を心がけるようにすることも、ちょっとだけでもいいから頭の片隅にでも入れておくようにするのがおすすめです。
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