ノートをきれいにまとめても効率的な勉強にはならない件

勉強方法

多くの人にとって「ノートを取る」といえば

  • 学校の授業で先生の板書をノートに書き写す。
  • 参考書や教科書に書かれている事をそのままノートに書き写す。

といった、書き写しの作業こそノートを取る事だと思います。

もちろん、ノートを取らないと授業で聞いた事を復習の時やテスト前に振り返ることはで着ないのは言うまでもありません。

しかし、ノートを取る作業はどうしても「ノート作り」という単純作業に陥りやすく、知識を定着や学んでいる所の理解がまるっきり無視されてしまうことがあります。

 

ノートをきれいにまとめる勉強方法の問題点

ノート作りが目的になってしまう

カラフルなマーカーで色をつけたり、付箋を貼りまくったり、グラフやイラストなどをノートに書いて、一つの芸術作品のようなノートを作るという作業が目的化してしまうは、実際にやったことがある人ならわかると思います。

きれいなノート作りは普通にノートを取るのと比較して楽しさや充実感がありますし、友達やSNSの勉強垢に出来上がったノートの写真を投稿すれば、たくさんのコメントがつくという、勉強に付随する楽しみもあるものです。

しかし、大抵は綺麗でまとまったノート作りに夢中になるあまりに、この勉強で何を覚えたかったのか、どんな事を理解したかったのかが無視され勝ちで、実際にテストや成績に結びつくかというて点では疑問が残る勉強方法と言えます。

 

そして、綺麗なノート作りはどうしても時間がかかるものなので、実際はそんなに大したことを学んでいなくても、「自分は勉強をやり遂げた」という充実感を得ることができます。

しかし、この充実感こそノート作りに夢中になる人がドツボにはまる罠です。

「ノート作りばかりで大して勉強していない→成績が下がる→焦って勉強している充実感を求める→ノート作りに夢中になる→ノート作りばかりで大して勉強していない…」

という負のスパイラルに陥ることから、ノートが綺麗にとっている割には成績が今ひとつという勉強習慣が身についてしまいます。

当然非効率的な勉強ばかりを続けていては、次第に「勉強なんて頑張っても無駄だ」という諦めが生まれてしまい、勉強から挫折することも少なくありません。

 

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ノート作りに満足してノートを見直すことを忘れがち

マーカーやグラフ、イラストを使ってノートをきれいにまとめる人にありがちなのが、きれいにノートをまとめたしまったら、二度と見返すことなくそのまま放置されてしまうというパターン。

もちろん、全く見直さずにそのままテストを迎えるという事は少ないにしても、授業でノートを作った日から実際にテスト当日まで見返して回数は、せいぜい片手で数えられるぐらいでしかなく、知識としてあんまり記憶に残っていないという悲しいオチになっている人も多いものです。

また、見直すといっても新たにノートに何かを書き加えるという一手間加えた作業すらなく、ただノートに書かれた文字の羅列をぼんやりと眺めているだけであり、何かを覚えよう(あるいは思い出そう)という目的意識なく、ただノートとにらめっこをしているということも目立ちます。

このようなノートの取り方で勉強をするのなら、別にきれいにノートを取らなくても問題集を解いたり、自分が作ったノートよりきれいでまとまっている参考書を読んだ方が、実は効率的な気が…とぶっちゃけ感じる事もあります。

 

なお、きれいなノートを作った人ならわかると思いますが、余白なくぎっしり書いてしまったことから新たに書き加えるスペースがなくなり、書き足し用のスペースとして苦し紛れに付箋を貼り付けたら見栄えが悪くなってげんなりした…というような経験もあろうかと思います。

また、せっかく完成させたノートに手を加えること自体、ノートという作品が否定されるのと同じだと感じることから、どうしても作ったら作りっぱなしで見直しをしなくなる原因だと感じます。

 

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ノート作りに時間をかけすぎ、時間と体力を消費してしまう

綺麗なノートを作るという作業は楽しいですがその分時間と体力を消費がかかるものです。

とくに、歴史科目の場合、何年に、誰が、どこで、どんな出来事を起こしてどうなったのか…という一連の流れを書いて行く要領できれいなノートを作る人も多いかと思います。

しかし、基本的に歴史などの暗記がメインの科目は、ノート作りに時間をかけたからと言って1回でその内容を暗記できる…というものではありません。

暗記科目にとってはノート作りで無駄に時間と体力を消費するよりも、短い時間でもいいから短期間の内に何度も復習したり、一問一答式の問題集で何十回も見直していくことが、テストや成績アップの為には大切です。

 

また、暗記系科目の他にも英語や古文・漢文などの語学系科目も、授業で習った単語や文章を一文字ずつノートに書き写して…というノート作りに熱中しやすい科目と言えます。

とくに長文問題ともなれば、書き写しだけでも10~20分以上費やすしてしまうことがあるので、テスト前の勉強以外にも予習・復習ノート作りで取り入れてもあまり効率的な勉強方法とは言えません。

本文を書き写すぐらいなら、コピーしてノートに貼り付けたり、直接教科書や参考書に書き込んだ方が時間の節約になります。

 

 

ノート作りは効率と目的をよく考えてからするべし

効率面を重視しすぎれば、授業なんて聞かずに参考書や問題集さえやっとけばいいという極端な意見になってしまいます…。

そういう意識は授業態度の悪化による内申点の低下や、学校そのものへのモチベーション低下により、遅刻や欠席を招くリスクもあり、無批判に肯定できるものではありません。

また、学校によっては板書したノートの提出が義務になっている科目もあるので、ノートを取らないで授業を受けるというのはあまり現実的ではありません。

そうなると、ノートを取ると言っても無駄な時間を費やしすぎず、非効率的にならない範囲でノートを取る技術そのものを持っておくことが大事だと言えます。

 

また、ノートを取るのは実際に手を動かしたり、自分の言葉や文章として授業・教科書の内容を頭に整理して入れるという側面もあるので、最初のうちはケアレスミスなく丁寧に勉強したいという人であれば、向いている勉強方法とも言えます。

その場合であれば、ノートを取る作業にのめり込みすぎて目的化しない範囲であれば、ノートを取る作業は有効だと感じます。