中高一貫校で不登校になる原因と背景

学校生活

公立校含めて中高一貫校に進学するという選択をする人が増えている一方で、中高一貫校のカリキュラムに途中でついていけなくなったり、先生や友達などの人間関係のトラブルを抱えることで不登校になる人も少なからずます。

今回は、中高一貫校における不登校の原因や背景についてまとめました。

 

入学後の学校のレベルの高さに圧倒されたことが原因

中高一貫校に受験して入学した時によく直面するのは、周囲の生徒の学力や教養の高さに圧倒されて、勉強含む学校生活全般に対して強い不安を感じてしまうという事です。

とくに、倍率が高く推移している中高一貫校に進学した場合は、自分の通っている地元の小学校ならトップクラスでも、進学した先では中の下程度でしかなくカルチャーショックを受けるということはよくあるものです。(なお、これは中高一貫校だけでなく、中学受験全般に言えますが…)

もちろん、入学前にある程度レベルが高い環境になるであろうことは理解していたとしても、実際にその環境に入るまでは、自分にとってレベルの高い環境でやっていけるかどうかを実感することは難しいものです。

また、レベルの高い学校に入ってしまうと、「もうこれ以上はレベルを落とすことはできない」「何としてでも今のレベルを維持しなければいけない」というプレッシャーを感じることで、精神的に辛くなり不登校になるケースもあります。

 

授業のスピードに早すぎてついていけなくなる

進学や将来の進路のために中高一貫校に進んだ場合は、中学のうちから高校の範囲を先取り学習するという独自のカリキュラムで指導している学校もあり、ペースについていけないことから欠席・不登校になってしまうことがあります。

とくに小学校が公立校であったり、宿題が少なく自主性やゆとり重視の校風出身だった人からすれば、中学から既に大学受験も見据えたハイペースな授業にすんなりついていくというのは難しいものです。

「授業についていけなくなる→授業を聞いてもわからないところが増える→わからないところが増えて何がわからないのかすらわからなくなる」となると、次第に勉強ができない自分だけでなく学校生活にも嫌気が差し不登校へとつながる恐れがあります。

 

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中だるみの長期化によるドロップアウト

ハイペースな授業に無事についていけたとしても、学校生活に対する慣れから中学2年生の頃から学校へのモチベーションが失せてしまう「中だるみ」に陥ることがあります

中高一貫校は(学校によっては)高校受験無しでそのまま内部進学できるという特徴がある一方、中だるみが高校受験を意識しだす中学3年生の時期で解消せず、そのまま長期化することが特徴としてあげられます。

中だるみの長期化が恐ろしいのは、勉強だけでなく部活動や学校行事に対するモチベーションまでも低下してしまうという点です。

勉強が得意でなくとも部活や学校行事に打ち込み学校に通う意義を見出している人ですら、中だるみに不登校になる恐れがあります。

 

中高で人間関係が固定されることに対する不安

中高一貫校は高校で人間関係がリセットされないために、中学時代にいじめてきた人やトラブルを起こした人とまた3年間付き合わなければいけず、それが影響して不登校になってしまうこともあります。

また、高校が中学の隣にある(併設校)場合は、高校に進学しても環境が変わらないために、学校生活に対するモチベーションが下がってしまうという懸念もあります。

 

また、中高で人間関係が変わらないということは、いわゆる中学までのキャラを一新して高校デビューをすることも、まず不可能です。

例えば、中学時代にいじられキャラで苦労していた人は、自分のことを知っている人が少ない別の高校に進学するば、今までのいじられキャラをリセットして、自分のなりたいキャラになることも簡単です。

しかし、中高一貫校では人間関係の変化が乏しく、同級生・先輩・先生・部活のコーチから一度いじられキャラとして見られてしまったら、高校でもいじられキャラのまま生活し続けなければいけないという懸念があります。

もちろん、人間関係の変動が少ない事は仲のいい友達と高校でも一緒に入れるというメリットもあるので一長一短と言えます。

 

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中高一貫校に入れたことで親が油断してしまう

中高一貫校に入学できたことで親が「これで高校受験無しで進学できる」と安心しきってしまい、勉強含め子供のことについて関心を示さなくなることで不登校になるケースもあります。

親からすれば高い倍率をくぐり抜け中学受験という競争を勝ち抜いてきたことでホッとするのも無理はありませんが、気を抜きすぎたあまり子供と学校のことについて話す機会が減ったり、子供の学校生活のことをよく知らないまま放置してしまうことがあります。

また、中学生ともなれば思春期ということで親離れが進む時期でもあり、あまり会話がなくても「そういうお年頃だから」と問題視しないことで、学校で勉強に落ちこぼれたり中だるみになっていても発見が遅れてしまいがちです。

 

「せっかく中高一貫校に入ったんだから…」というプレッシャーで潰れる

中高一貫校入学をするにあたって、先生や親や友達などの多くの人の期待を受けてきたことでしょう。

しかし、その大きな期待を背負って入学しただけに、一度つまづいてしまうと期待がプレッシャーになり精神的な負担になります。

また、「せっかく中高一貫校に入ったんだから…」と本人も周囲もつい言ってしまうことから、学校生活で我慢や無理を重ねやすく自分を押し殺して無理に学校生活についていこうとした結果、燃え尽きるように不登校になることがあります。

 

不登校になる直前までは、期待を受けてきただけ合って周囲には何も悩んでいない、困っていないと元気に振舞うのです。

しかし、その裏では「期待に答えられなくなったら見捨てられてしまうのではないか、期待してくれた人を裏切ることになるのではないか」というプレッシャーを日々感じながら、学校生活を送っているのです。

 

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written by
勉強の知恵袋 編集部

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