「学校の勉強は社会では役に立たない」という論の正体

勉強に関するネタ

大学生や社会人になると「学校で習った勉強はなんの役に立たない」という話題で盛り上がることもあろうかお思います。

例えば大学で文系学部卒の場合、実際に社会人生活を送る上では、

  • お金の計算に必要な計算能力
  • 尊敬語・謙譲語などの目上の人と接するときの言葉使い(国語力)
  • 外国の方と仕事をするときつ使う英語のスキル

などのごく基礎的な知識の有無の方が役にたつように思います。

因数分解や三角関数、古典や漢文、難しい英語長文問題などの知識は、社会人生活を送っていると受験以外では全く使わないという人の方が多いでしょう。

しかし、個人的には役にたたないからと言って勉強そのものをしなくてもOK、むしろすぐに役に立つ勉強さえしておけばいいという意見ではありません。

あくまでも学校で習った勉強はそのまま社会では通用しないものだと自覚して上で、学んだ知識を自分で応用していく力が必要だと感じます。

 

「勉強=正解を探す」と考えているから役にたたないと感じる

「勉強が役に立たない」と感じる人に共通しているのは「勉強=正解を探す」ことだと考えている点です。

学校のテストや受験なら、問題を見て正しく解答することが求められるものですし、勉強する目的も「正解が書けるようになる」になるのが自然だと思います。

 

しかし、実際に社会に出てみると、問題に対して決まり決まった正解が必ずある…わけではないということに、うっすらとでも気付くことでしょう。

社会に出て「1×1=1」というような、暗算や暗記で通用するような決まり決まった問題に対する解答ばかりをする…というのはあまり現実的ではありません。

社会には一問一答式のような単純な問題ばかり転がってはおらず、自分の頭で考えたり、考え尽くしてもこれが正解…というものが見つからず黙り込んでしまうことについて、自分なりに答えを出していくことが求められるのです。

 

社会に出てよくある問題として、自分の働き方について例にして考えてみましょう。

働き方について考えるときに「景気の状況やビジネスの成長性などを考慮してどんな業種で働こうか…」といろいろ自分なりに正解となる働き方を見つけ出そうとするものの、調べていくうちにどの働き方が正解なのかわからなくなり混乱してしまう人は多いものです。

また、実際にこれが正解だと思って働きだしてみたものの「やっぱりなんか違う」「もっと正解と呼べる働き方があるのでは?」と自問自答してしまい、ますます正解が何なのかかがわからなくなってしまう…。

このような、決まり決まった正解がないものに対して「正解があるに違いない」考えてしまう人こそ、学校で習った問題には正解があると考えている人ほど、卒業後に行き詰ってしまったり、自分で自分がわからなくなり精神を病んでしまうのだと考えることができます。

 

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答えのない問題に自分なりの答え出す力が求められる

学校の勉強は決まり決まった正解を出すものですが、学校の外の世界で生きていにあたっては、決まり決まった正海が無い問題に対して自分なりに答えを出すこ力が求められます。

先ほどの働き方という問題については、自分なりに納得できる答えを今まで自分が学んできた知識や、それこそこれから自分が学び経験をしていく中でじっくり見つけてみてもいいでしょう。

例えば、

  • 仕事を優先にした生活こそ正解。
  • プライベートや趣味の充実を優先にした生活こそ正解。
  • 仕事も趣味も両方充実した生活こそ正解。
  • 仕事をしつつも副業や資格勉強をして、他の働き方もできる生活こそ正解。

など、多種多様な正解が人によって出ることですが、ここで出た正解は学校の世界のときにように「○○こそ正解でそれ以外は不正解」というものではありません。

人の数だけ正解があり、正解・不正解ではなく自分なりの答え出す力こそ重要なのです。

 

また、答えの出にくい問題に対してすぐに答えを言えることばかりが正解だとは限りません。

社会人生活の場合、働き出して3ヶ月ですぐに自分なりの答えが出せる人も入れば3年以上経ってようやく答えが出せる人もいます。

しかし早ければその分正しいというわけでも、優れているというわけではありません。自分なりの答えを見つけるにあたっては、他人の解答のペースと比べて一喜一憂せず、自分のペースでしっかり答えが出せるように考えていくようにしましょう。

 

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学んだ知識を応用させること忘れてはいけない

学校の勉強で学んだことが、実生活でそのまま一問一答式に問われることはまずありませんが、かと言って勉強が全て無駄になると決め付けるのは早計だと思います。

例えば数学で数列の知識を学んだとしても実際に数列の問題を社会生活の中で解くという場面はまずないでしょう。

 

しかし、数列で学んだ知識は身近なところで出てきているものです。

例えば、住宅ローン金利や借金の利息などの金融に関わる分野では、数列で触れたであろう複利計算による計算が必要になります。

数列の問題という、実生活では無縁でまずお目にかかれないような知識が、以外にも金融という自分の損得に関わるところで密かに登場しているのです。

ここで、数列の知識を応用できれば、利息を払いすぎないように気をつけて余計な出費を抑えたり、無理がある返済計画を承諾して追い込まれてしまうことを防げるようになります。

 

もちろん数学以外の科目も同様です。

古典や漢文そのものは、現在は言語として使われているものではありませんが、書かれている文章を見ることでその当時の人たちの文化や思想を知ったり、そこで学んだ知識を応用させて、目上の人との話題作りなどに生かすこともできます。

とくに、孔子が書いた『論語』はビジネスマンの教科書として現代でも重宝されている書物であり、戦国時代という厳しい時代を生き抜き考え出した知識や知恵、処世術といった知識を学ぶことができます。

 

ちなみに、個人的には受験にすら登場しない家庭科の知識こそ、よく学んでおくべき科目だと思います。

栄養や食品の取り扱いなどは自分の健康に直結するものですし、数学でも触れた金融(クレジットカードの支払い)や悪徳商法(マルチ商法など)とその対処法(クーリングオフなど)を詳しく学んでおけば、損をする機会を避けることができます。

また、新手の詐欺や胡散臭い商売が出たときも「なんか怪しい…」と気づいて損害を未然に防げるようになるでしょう。

 

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written by
勉強の知恵袋 編集部

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