学校生活を送る上で欠かせない部活動。最近増えている公立の中高一貫校含めて、中高一貫校の部活動は一貫校ならではの特色があるものです。
部活動といえば一般的には運動部を想像する人も多いものですが、中高一貫校では運動部だけでなく文化部も中学と高校が連携した活動が行えることから、コンクールで表彰されたり文化祭などを学生主体で盛り上げ文化があり、積極的に活動をしているのも特徴の一つです。
また、同じ敷地内やすぐ近くにある中高一貫校の部活動なら、最大で6年間練習環境が変わらず、馴染みのある環境で練習したり、新設された中高一貫校なら、最新の練習設備を部活動で使えるというメリットもあります。
今回は、そんな中高一貫校の部活動の特色についてまとめました。
中学生と高校生で合同練習を行うことがある
中高一貫校の魅力は、中学の部活と高校の部活とが合同で練習する機会があるということです。これは、運動部も文化部のどちらもにも当てはまります。
入学したての中学1年生からすれば、同じ部活をしている高校3年生の活躍っぷり合同練習で体感することで「自分もあの先輩のようなプレーができるようなりたい!」という高い目標を早い時期から抱けるようになれます。
とくに、部活動を通して将来その道のプロとして食っていきたい、部活の経験を通して進学や就職などの自分の進路につなげたいという志がある生徒からすれば、早いうちレベルの高い環境に身を置ける中高一貫校の部活はピッタリと言えます。
また、高校生からすれば、一回り年が離れた中学生に対して指導することでより年齢が離れた人に対するコミュニケーションの技術や、リーダーシップやチームワークなどの人間関係に必要な能力を磨く事もできます。
そして、もしも志が高い中学生が入ってきた場合は、いい意味で緊張感を持つことができ、自分の技術を磨いたり、お互いに切磋琢磨して刺激を受け合う関係を作ることもできます。
なお、中高の連携は部活動に限らず、生徒会や学校行事(体育祭・文化祭)などでも行われているものです。
どのような中高の連携が行われているかは、学校のホームページにある部活動のページを参考にしたり、学校説明会で実際に質問をしてみるのでもいいでしょう。
6年間かけて技術や経験を養う事ができる
普通に中学、高校とで環境が変わる部活と違い、中高一貫校の部活は6年間かけて部員を育成していくという計画で部活運営できるのが特徴と言えます。
例えば、野球部で甲子園に出場する場合、
- 高1からスタートして高3で甲子園出場できるチームを育てる
- 中1からスタートして高3で甲子園出場できるチームを育てる
の2種類のチーム育成をしていく場合、(1)よりも(2)の方が練習にかけられる時間が長いため、より丁寧且つ安定した練習計画を組むことができます。
もちろん、6年間あることで勉強だけでなく部活動でも「中だるみ」を招くリスクはあることは考慮しておいたほうがいいでしょう。
しかし、部活動で有名になっている中高一貫校には中だるみを防ぐためのノウハウが十分に備わっていたり、さきほど触れた中高連携した練習により刺激を入れ、部活へのモチベーション低下を未然に防いでいることもあります。
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併設校なら進学しても練習環境が同じ
中高一貫校でも、すぐ近くに中学と高校の校舎が存在している、あるいは同じ敷地内に中学と高校の校舎が存在している中高一貫校のことを「併設校」と呼びます。
併設校の場合、練習場所となる運動場やプール、学校の教室などは高校に進学しても変わることがないので、6年間同じ環境で練習できるというメリットがあります。
とくに部活動に力を入れている中高一貫校の場合、プールやトレーニングルームなどの練習設備が最新のものであったり、文化部の部活でも部活動利用する備品や消耗品が充実しており、思う存分打ち込めるというメリットがあります。
とくに、文化部の部活だと個人では買えないような備品(楽器類、実験道具、放送機材など)も、中高一貫校なら中学生と高校生の両方が使うということで予算を出しやすく設備が整いやすくなります。
高校に進学しても人間関係が変わらない
中高一貫校は高校に進学しても練習環境だけでなく、同級生や先輩、コーチ、監督などの人間関係の変動がなく、顔なじみの人に囲まれながら部活を続けることができます。
自分が信頼を寄せている先輩やコーチ・監督と高校に進学して一緒に練習や指導を受けることができるのが、中高一貫校の部活動の魅力です。
なお、これは高校デビューがなくなり自分のキャラが固定されたり、合わない人と高校で顔を合わせなければいけないというデメリットもあるので、一長一短であるという点は踏まえておくようにしましょう。
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公立中高一貫校の部活ならではの特色
中高一貫校でも2000年代から増えている公立中高一貫校は歴史が浅い分、部活でどのような活躍をしているかが分かりにくいという問題があります。
しかし、地域との関わりや国際交流などの時代に即した活動が部活を通して行っている学校もあります。
運動部の他にも文化部の活動も活発
公立中高一貫校は運動部も盛んですが、それと同じぐらいに書道部、茶道部、吹奏楽部、英会話部、物理化学部、などの文化系の部活動の活動も盛んです。
公立中高一貫校そのものがスポーツ進学生が集まるような部活動一辺倒の校風ではない分、運動部も文化部もほどよく熱意の持った人が集まりやすくなっています。
また、公立学校によってはSSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定で理系科目に力を入れていることから理科に関する文化部やスポーツ科学、運動生理学などの運動に関する学問を部活の中で行い生かしていることもあります。
また、SGH(スーパーグローバルハイスクール)指定で英語含む外国語での交流や国際交流に力を入れている学校では、日本の文化を学び海外の方と交流する意味で、茶道部や書道部などの部活に力を入れていることもあります。
※なお、SSHとSGHは高校(ハイスクール)が対象となっている点、公立だけでなく、私立・国立の中高一貫校でもSSH・SGHの指定を受けている学校があります。
学費が安いのに体育館、プールなどの設備が新しい
公立校の部活の練習環境といえば、古くて貧乏臭いものだというイメージがありがちですが、新設された公立中高一貫校の場合は、私立の中高一貫校と同等の最新の体育館やプールなどの練習環境が整っている事があります。
とくに、公立中高一貫校は私立と比較して学費が抑えられて経済的に優しいということもあり、部活動目当てでの入学を希望する人も多いものです。
やはり、学校生活の主なウェイトを占める部活動で打ち込むのなら、古くて貧乏臭いところで練習するよりも、最新の設備を贅沢に使ってしっかり練習したほうがやる気やモチベーションが出やすいのは、いつの時代でも変わらない事だと思います。