浪人生活におけるストレスと付き合い方

浪人生

大学受験を目指すための浪人生活に対して、ストレスは切っても切れないものだと言えます。

受験という自分の未来に関わること、そしてその未来が確約されていないこと…言い換えれば一種のギャンブルに対して、やりたいことを我慢して時間と労力を費やすことに、ストレスを感じるのも無理はないでしょう。

 

また、浪人生ならでは

  • 学生でも社会人でもない不安定さ
  • 周囲の人の期待とプレッシャー
  • 浪人といういわば受験界における負け組の烙印を背負うこと(もちろん、無事合格して挽回すれば汚名を返上できますが…それまでが辛い…)

などの各種ストレスは、感じていても実際に誰かに打ち明けたりしにくいものですし、結局一人で抱えてしまって辛くなることは、浪人生あるあるです。

そんなストレスだらけの浪人生活だからこそ、いかにストレスをコントロールしていくか、ストレスと上手に付き合うかを学んでいくことは、勉強の効率を上げて大学合格に近づくためにも欠かせません。

 

 

浪人生が感じるストレス

学生でも社会人でもないことの苦しみ

浪人生は学生(高校生)でもなければ、社会人でもなく、社会においても自分の居場所を感じづらい非常に不安定な身分です。

浪人生であることを打ち明けるにしても、周囲の反応が「…あっ(察し)、浪人生なんですね…」と、何か見てはいけないものを見てしまったかのような視線を向けられることがあるため、次第に人付き合いも疎遠になることが多いものです。

もちろん、予備校に通っていれば一応は(予備校の)学生として、学割を使ったり学生を名乗ることはできますが、それでも浪人生という立場であることには変わりはありません。

そのため「自分の居場所らしい居場所がない…」つまり、自分がこの世界から必要とされていることを感じにくく、強い孤独や疎外感を覚えてしまうのです。

 

受験に受かるかどうかわからない不安

当然ながら大学に受かるかどうかは、合格発表の瞬間までわかりません。

だからこそ何としてでも合格できるように勉強に励むのですが、いくら勉強をしても「自分は絶対に合格できる」という保証も確証も手に入れることはできません。

模試でA判定をとったとして、あくまでも合格可能な確率は80%以上であり、100%ではありません。100%でない以上は「いくらA判定が取れていたとしても、油断したり、問題が難化していれば落ちるかもしれない…」という漠然とした不安に苦しむことになります。

そもそも、受験という不確実でギャンブルの要素もあることに挑んでいる以上は「受かるかどうかわからない不安」に、ほぼ全員の受験生が苦しむものですが、とくに一度志望校に落ちる経験をしている浪人生にとっては、落ちたときのショックが鮮明に思い出される分、感じる不安は現役生よりも強くなります。

 

親、先生、同級生に対する負い目、後ろめたさ

真面目な性格であったり、人の期待に応えることに充実感を見出している人からすれば、浪人生になってしまうことは「自分は周囲の期待に応えられなかった、出来の悪い存在です」とアピールしているように感じます。

今まで応援してくれた人の期待に応えられないままでは流石に気まずいので、浪人生として再チャレンジに挑んでいるものの、心の中では後ろめたさや負い目を感じています。

もちろん、そんな辛い気持ちを抱えてはいるものの、打ち明けようものなら応援してきてくれた人を落胆させるかもしれない不安があり、自分一人で抱え込んでしまいがちです。

期待を裏切ってしまったことの罪悪感。そして罪悪感を打ち明けられない心理状態が、ストレスを増幅させて浪人生生活を苦しいものにするのです。

 

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浪人生のストレス解消法&付き合い方

睡眠時間はしっかり確保する

受験への不安から、睡眠時間を削って勉強をしてしまうことがあります。

しかし、睡眠時間を削ればその分「頑張った感」を手に入れて、ストレスをマシにできるかもしれませんが、睡眠時間の乱れは日中の勉強の集中力を下げてしまったり、睡眠リズムの乱れを招くために、オススメできません。

不安で夜も眠れないからこそ、その不安を勉強にぶつけたくなるかもしれませんが、そこはグッと堪えて寝るようにする。

そして、少し早めに起床して勉強をする、朝方の生活を身に付けるようにするのが、長い目で見ればストレスとうまく付き合うための生活となります。

 

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適度な息抜きを習慣にする

勉強ばかりでは息が詰まるので、適度に息抜きをして勉強をするための気力を養うことは欠かせません。

浪人生活は基本的に勉強のための生活ではありますが、適度に息抜きを入れないと、途中で中だるみを起こして勉強に集中できなくなる、悪化すれば受験そのものに対して諦めの姿勢になってしまう恐れがあります。

そうした挫折を防ぐためにも、適度に息抜きをする日をスケジュールに組み込むことが大事です。

目安は1週間に1日。運動不足を解消するためにも、運動する習慣を身につけたり、遠出して刺激を受けるなどの方法で息抜きをしてみましょう。

 

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短期的な成績の変動に一喜一憂しない

模試の成績が上がった(あるいは下がった)という変化に一喜一憂することがあろうかと思いますが、そうした変化に敏感になりすぎると

  • 「もしも、次の模試の成績が下がったらどうしよう…」
  • 「この調子で、受験本番まで調子が持つだろうか…」

と言った、新たな不安が出てしまいがちです。

模試でいい結果が出れば、嬉しいい気持ちを出てくるけど同時にこれ以上下がることが怖くなる。悪い結果が出れば、今までの努力が否定されたようで辛くなる。

このようなメンタルを消耗するような一喜一憂をやめて、しっかり模試の解説を読み込んだり、復習をして知識をしっかり吸収していくことが、地味なようで実は大切なことなのです。

 

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ストレスの原因についてしっかり向き合う

ストレスや不安と一口にいっても、

  • 自分がなぜストレスを感じているのか。
  • 何に対して不安や恐れを感じているのか。

がわからず、ただ漠然とした不安に脅かされていることがあるものです。

正体がわからないからこそ、ただ漠然としたストレス・不安を感じているのであれば、しっかりとその原因に向き合っていくことが大事です。

 

  1. 漠然としたストレス・不安に向き合う
  2. 根拠が分かる不安に変わる
  3. 根拠がわかれば対策を立てられる
  4. ストレス・不安をコントロールできる。

この段階を踏まえて、ストレスにただ苦しみだけでなく、自分の力である程度対策を立ててコントロールが可能になることを目指しましょう。

 

適度なストレスは集中力を上げるものだと理解する

ストレスは決していつも悪者というものではありません。適度なストレスは

ストレスが0の状態は試験でいい結果を出せるように思えますが、実は気の緩みを生んだ注意力散漫になり、返って成績悪化を招く可能性があります。

適度な緊張感があるからこそ、ミスを起こさないように敏感になったり、最後まで気を抜かずに集中できるものです。

上で触れた「ストレスの原因についてしっかり向き合う」の続きになりますが、ストレスはゼロにすることを目指すのではなく、適度な状態になるようにコントロールすることを心がけましょう。

 

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