合格体験記はためにならない?合格体験記を読むときに気をつけたいポイント

合格体験記

予備校や学校のホームページなどで掲載されている「合格体験記」を目にすることはありませんか?

よく予備校では「志望校に合格した先輩の体験談をよく読んで、自分の勉強に活かすように!」と言う先生もおられますし、ある大学に合格した人の赤裸々な声を集めた本も数多く出版されています。

しかし、合格体験談を読むことは必ずしも自分の受験勉強に効果的…というわけではありません。

体験談とはいえ、やはり他人の体験談である以上、武勇伝のように話が盛られており、そのままマネをするのは考えものです。

場合によっては、自分の勉強の調子を狂わせてしまうこともあるので、合格体験記を読むときは、まるごと鵜呑みせずしっかり吟味する、場合によっては参考にしないことも視野に入れることが大事です。

 

 

合格体験記がためにならない理由

話を盛っている

合格体験記は、とにかく自分がどれだけ頑張ったか、どれだけ努力をしたかを堂々とアピールできる数少ない場面です。

そのため、過去の自分の勉強時間を多少盛って書いてしまったり、実際は参考書を買っただけなのにすごくやりこんだと、最もらしく書いてしまうことも少なくありません。

また、勉強時間をアピールすることも、合格体験記にはよくありますね。

例えば「1日12時間勉強した」というエピソードも、実は普段はせいぜい5時間程度だったのに、受験勉強のピークのときにたった1日だけ12時間勉強した日の事を自慢したいがために、合格体験記に書いてしまうこともあります。

その勉強時間を間に受けて、平日・休日どちらも12時間勉強を続けて体調を崩しては残念です。

 

浮かれた気分で書いている

合格体験記は当然ながら志望校への合格が決まってからある程度経ってから、依頼されて書いています。

合学が決まり浮かれた気分になっているところに、「是非とも、あなたの合格体験記を書いてください」と丁寧な依頼が来たら、更んび浮かれた気分になってしまうのも無理はありません。

つい昔を懐かしみながら脚色して書いたり、過去を美化してよくあるサクセスストーリーになっていることも合格体験記あるあるですね。

美化されたストーリーだけに、読む方にとっては今後の励みになるかもしれませんが、書かれている情報は現実離れしていたり、要点がまとまっておらず結局何が言いたいのかよくわからないただの武勇伝になっており、読むだけ時間の無駄というケースもあります。

 

宣伝用に脚色されている

予備校や塾に通っていた人の場合、来年度の新入生獲得のパンフレットや宣伝のために合格体験記が利用されることもあります。

よく、化粧品や健康食品で利用者の声を載せて成約に繋げるように、合格体験記も予備校利用者の声として宣伝用に使われるのは商売である以上仕方のないこととも言えます。

しかし、成約につながる声を載せるとなると、予備校や塾にとって都合の悪い情報、売上ダウンにつながる情報は掲載されず、耳ざわりのいい情報ばかりがピックアップされたり、リテイクや編集をして脚色されていることもあります。

本当は、耳ざわりのいい情報ではなく、刺さるような言葉が欲しい人にとっては、ピックアップされた合格体験記を読むのは、まさに時間の無駄とも言えますね。

 

 

スポンサーリンク

 

 

合格体験記を読むときのポイント

書かれている内容すべてを真似しようとしない

  • 1日○○時間勉強した。
  • 睡眠時間を削って勉強した。
  • 受験のために部活を辞めた。

などの情報を合格体験記に載せていることがありますが、この人がやった通りに自分も真似をすれ必ず志望校に合格する…というわけではありませんよね。

自分の志望校に合格した人だからと言って、なんでもその通りにやれば必ず合格するような説得力があるように思えますが、上にも書いた通り話が盛ってあたり、宣伝用に脚色されていることもあるので、そのまま真似するのは考えものです。

 

自分の勉強環境に合わせて情報を選び取る

合格体験記を書いた人の環境と自分の環境が完全に一致することはありませんよね。

通っている学校の偏差値や、家庭環境、担当の先生や地頭の善し悪しなど、勉強ひとつ見てもその人の育ってきた環境や背景ばバラバラです。

ただ、年が近い、自分と同じ学生である、という共通点だけで見て、合格体験記に書かれた情報をすべて選び取るのではなく、あくまでも自分の勉強環境を軸にして、書かれている勉強法や知識を選び取るようにしましょう。

 

例えば、ちゃんと睡眠を取らないと支障が出る人に向けて「睡眠時間を削ってでも勉強すべき」というアドバイスは的外れですよね。

それと同じように、自分の環境や体質にあった情報や「このやり方なら自分の勉強にも活かせそう」と思う情報を自主的に選択して必要な情報のみ選び撮るようにしましょう。

 

スポンサーリンク

 

やる気を出すための読み物として割り切って読む

合格体験記は一種の自己啓発本と言っても過言ではありません。

成功談を読むだけで「もっと頑張らなきゃ」「サボらず勉強しよう」と自分を奮い立たせる効果があるので、合格体験記をやる気スイッチを入れるためと使うのも方法の一つです。

自己啓発本を読むと勉強や仕事へのモチベーションが上がってくるように、合格体験記もモチベーションを上げるためのものとして割り切って読むことが大事です。

 

合格している人がやっている科目に注目する

難関校ともなると、「何時間勉強した」という数字に注目するよりも、どの教科・科目に力を入れたかというより点数に結びつく情報に注目することも大事です。

例えばざっくりと

  • 「この大学に受かった人は、数学、英語に力を入れていたという情報が多く見つかった」
  • 「英語の場合とくに作文や長文読解に力を入れている人が多かった」

というように、合格体験記からより効率的に点を取るための情報が得られることもあります。

受験勉強とはいえ、ただ闇雲に点数にならない勉強をするのではなく、自分の志望校が決まれば、その志望校の問題の傾向を調べて対策を練るのは必須です。

過去問を解くことでも傾向や掴めますが、合格体験記からもその年の受験生がとくにどの科目や分野を意識していたのかを、調べるようにしましょう。