仮面浪人になるメリット・デメリット

浪人生

志望校ではなく滑り止めの大学に受かったものの、合格を辞退できずそのまま大学に通いつつ、去年落ちた志望校に通う事を仮面浪人と言います。

仮面浪人は、一見すると普通の大学生ですがあくまでもそれ仮の姿であり、その正体は浪人生と変わりありません。

仮面浪人の受験勉強は、真面目に大学の講義を受けつつも来年の試験に向けて勉強する人も、授業は二の次で受験勉強とバイトにのみ打ち込んだり、入学してまもなく休学届けを出してとりあえず大学に籍だけおいて仮面浪人をするという人もいます。

普通の浪人生からすれば、仮面浪人であっても大学生という身分があるので羨ましいと思うことはありますが、滑り止めに受かったものの、その大学に満足できず大学生と浪人生の二足の草鞋を履いて暮らさなければいけないという人には言い難い苦労があります。

今回はそんな仮面浪人にメリット・デメリットについてまとめました。

 

 

仮面浪人のメリット

仮面浪人の大半は第一志望の大学に落ちて第二志望以下の滑り止めに受かった状態です。

言うなれば一校に絞って受けるようなハイリスクな勉強のやり方を避け、大学全落ちを避けるための保険が発動してしまったために、仮面浪人になったという状態です。

一般的に仮面浪人というと、あまり肯定的な意味で使われる言葉ではありませんが、一応メリットがあります。

 

一応大学生という身分は保証される

仮面浪人は普通の浪人生と違って「一応」大学生という身分は保証されているので、就職や進路については完全な浪人よりも有利です。

昔の友達や先輩・後輩に会った時に、完全な浪人生として話すのはどうも気が引けるものですが、一応大学生なのでそこまで気後れせず接することができます。

 

受験勉強をやめて所属大学の学生として復帰する事が可能

仮面浪人はもしも途中で気が変わって「やっぱり本当の志望大学に行くのは辞めよう…」と思ったと場合、他の大学生と変わらず普通の大学生として復帰することが可能です。

入学当初は第一志望に受かれなかった事を悔やんで仮面浪人になることを決意するものの、GW開けでやっぱり不安になったり、虚勢を張らずに今の大学に通って自分なりにやりたいことや目標を見つけたことで、普通の大学生に戻っていく人もいます。

 

自分の好きなようにスケジュールを組める

大学の講義をそっちにのけにしたり、休学届を出して講義を受けない場合だと、宅浪生と同じように使える時間はたっぷりあるので、スケジュールを自由に組むことができます。

時間を有効活用して受験勉強に勤しむだけでなく、バイトに精を出して(一応浪人生ながらも)大学生らしい生活を送ることができます。

また、勉強の息抜き替わりに所属先の大学に行ってサークルに顔を出したり、大学図書館などの施設を利用することもできます。

 

人と違った経験を持てる

仮面浪人をするのはごくごく少数。

それゆえに、その経験を話のネタとして誰かに語ったり、同じような悩みを持っている後輩の相談相手に慣れることもあります。

しかし、話のネタとして語れるまでには多大な時間がかかりやすく、また誰にも一生語れないまま、自分だけの秘密として抱えて生きていく人も多く、人と違った経験だからと言って誰もがそのことをメリットだと受け取れないという複雑さもあります。

 

 

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仮面浪人のデメリット

志望校に受かれば学費と一年間を無駄にする

無事に仮面浪人生活が成功して志望していた大学に行くことになれば、当然ですが今まで所属していた大学はやめなければいけません。

そうなると、今まで所属していた大学に払った学費は無駄になりますし、取得した単位が無駄になることは避けられません。

自分がアルバイトをして稼いだお金ならまだしも、親のお金で行った場合なら、親不孝者だと言われても無理はない事をしているという自責の念に駆られながらも志望する大学へと行くことになります。

 

刺激を受けにくい毎日で怠けやすい

仮面浪人という不安定な立場のせいで、予備校や塾には通いにくく必然的に宅浪生と同じような生活を送ることになります。

そのため毎日が短調な生活になりやすく、途中で受験勉強を断念したり、高校時代よりも成績が伸びず第一志望への合格確率を上げられないまま1年を過ごしてしまうリスクがあります。

また「その気になればいつでも受験勉強をやめて大学生に復帰できる」という状況も相まって、ますます受験勉強へのモチベーションを下げやすく失敗しやすい浪人生活とも言えます。

 

親や親友にも相談できず辛くなる

仮面浪人になる人は、自分が仮面浪人であることを親や友達(高校時代・大学含む)に公表できず、誰にも相談できないまま辛くなる傾向があります。

表面的には大学生なのに、

  • 学費を出してくれた親への期待を裏切っていると感じる
  • 志望校に受かったら所属先大学で出来た友達を裏切ったと感じる
  • 今まで支えてくれた先生や先輩・後輩・家族にたいする後ろめたさ

などのネガティブな気持ちを感じることから、誰にも悩みを打ち明けられないのが仮面浪人の特徴でもあります。

 

同じ大学の人と関わりを持てず孤独を味わう

志望している大学の偏差値が現在の所属大学よりも上の場合は、無意識のうちに同じ大学の友達を見下していることになるのでは、という後ろめたさを感じて、自分から人間関係を作るのを避けて孤独を味わうことがあります。

また、大学にいると誘惑が多いので、それに惑わされないために自分から一人になることを選んで、孤独な生活を送る仮面浪人生も少なくありません。

 

受験も大学生活も失敗して留年・退学してしまうリスクがある

仮面浪人がうまく行けばいいのですが、前述のように誘惑やリスクが多いので、受験は失敗、単位はボロボロになることがあります。

かと言って、もう一度仮面浪人するのは精神的にも難しく、また単位がボロボロの場合は留年や退学を招くこともあります。

大学生と浪人生という二足の草鞋生活は決して楽なものではなく、そのどちらも中途半端になり後悔だけが残る例も少なくありません。

 

 

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仮面浪人ではなく転入学・院進学で行きたい大学に行く方法もある

仮面浪人という難しく、人には相談しにくい生活を無理に送って失敗することを考えれば、普通に大学に通って、転入学・院進学で行きたい大学に行くのもやり方のひとつです。

いわゆる「学歴ロンダリング」であり、どこの大学を卒業したかで自分を語れるというメリットがあります。

  • 普通に仮面浪人するよりも余裕のある勉強計画が立てやすい。
  • 除族大学で出来た友達と後腐れなく別れることができる。
  • 親や支えてくれた人にも顔向けしやすい。
  • 1年仮面浪人するよりも考える時間が多く、自分の将来を余裕を持って考えることができる。

などのメリットがあります。

もちろん、院進学の場合は更に学費と時間を使うことになりますが、どんな形であれ自分の行きたかった大学に通えるという目標を達成することができます。

 

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written by
勉強の知恵袋 編集部

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