SNSで勉強用のアカウントのことを「勉強垢」といいます。
垢はアカウントの略を意味するネットスラングであり、普通に学校の勉強だけでなく、受験生や浪人生、中には社会人や主婦の方が資格取得のために勉強垢を作って、自分の勉強に関する意気込みを投稿したり、同じく勉強で悩める友達と繋がることがあります。
しかし、勉強垢はいいことばかりではなく、勉強時間を削られたり、勉強垢に投稿するための写真作りのために時間を奪われてしまうという非生産的な行動にもつながりやすいというデメリットもあります。
今回は、そんな勉強垢のメリットやデメリットについてまとめました。
勉強垢のメリット
「勉強した」という自慢が堂々とできる
勉強垢でよくあるのが
- 数学を○○時間勉強した
- 模試で偏差値が70だった
などの、自分の勉強の結果を堂々と自慢できる点です。
やっぱり勉強を頑張った、いい結果が出たとなれば堂々と自慢したいものですが、現実世界だと過度に自慢すると僻まれたり、ウザがられたり「その点数でいい気になってるんだ…」と思われる事のあるのでなかなかやりにくいもの。
すごいと言われて認められたいけど、その気持ちを全面に押し出せば調子に乗っていると言われてハブられたり、いじめの原因になってしまうことも否定できません。
そんなモンモンとした気持ちを、うまく発散出来る場所が勉強垢なのです。
勉強垢同士でつながっておけば、自分の勉強の成果を自慢して否定される心配はすくないので堂々と出来る。いいねの数などで自分がどれだけの人から認められたのかがわかるというメリットもあり、自慢したくてたまらない人にはかかせない居場所とも言えます。
退路を立って勉強に打ち込める
勉強垢に「今から○○時間勉強します」と宣言することで退路を断って自分の勉強に打ち込めるというメリットがあります。
勉強をしなければいけない…という気持ちはあるものの、なかなか着手できず時間ばかりが過ぎてしまうということはよくあること。
そんなもどかしい時間をなくすために、勉強垢に投稿して自分は他の勉強垢の人から見られているという緊張感を与えることが、勉強垢を持つメリットのひとつです。
世の中全ての人が意志が強く、勉強にサッと取り掛かれる人ではありません。誰かに見られていないと勉強に取りかかれない、自分の部屋だと誘惑に弱くつい甘やかしてしまう癖がある人ほど、勉強垢は重宝されているのです。
他の人の勉強のやり方を知ることができる
勉強垢のメリットとして、他の人がやっている勉強方法やノートのとり方がわかるという点です。
普段から勉強垢ですごい成績を出している人が、
- 普段どんな勉強方法をしているのか
- ノートのとり方はどうなっているのか
- どんな参考書や問題集を使っているのか
などの、情報を知れるのが勉強垢ならではの魅力です。
あわよくばその人と勉強垢を通じて交流したり、勉強のやり方を教えてもらうこともできるのも魅力的です。
リアルで付き合いのある先生や友達には聞きにくいことも、ネット上で勉強垢を使えば気兼ねなく聞けるので、ハッシュタグを使って定期的に勉強垢同士の人同士が繋がるための投稿が行われています。
おしゃれな文房具の情報が手に入る
インスタグラムを勉強垢として利用している人の場合、自分がどれだけ勉強したかの成果をどれだけおしゃれな写真にアップするかがいいねの数を大きく左右します。
そのおしゃれに欠かせないアイテムが文房具です。
消しゴム、シャープペンシル、ノート、筆箱、付箋、定規など、かわいい系からユニーク系まで、個性豊かな文房具の写真をアップされています。
普段の勉強が少しでも楽しくなるようなユニークな文房具の写真がたくさんアップされており、自分ごのみの文房具の情報を集める目的でも勉強垢は重宝されています。
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勉強垢のデメリット
SNSの更新に夢中になり勉強が疎かになる
勉強垢は勉強だけでなく、自分の勉強に関する近況報告や、愚痴などのネガティブな話題も投稿することができます。
そのため、ちょっとした気分転換として使うに留まらず、ついのめり込み過ぎて勉強時間を無駄にしてしまう、投稿した内容へのコメントが気になり勉強を何度も中断して効率を下げてしまうというデメリットもあります。
勉強のために作ったアカウントで、逆に勉強が疎かになってしまうという皮肉な結果になる人が多いのも勉強垢の現状です。
勉強自慢に付き合わなければいけない
勉強垢同士でつながっていると、自分の勉強自慢をするだけでなく、他の人の勉強自慢にいいねを押したり、「チェックや拡散をしなければ…」という義務感に駆られて自分のプライベートな時間を拘束されてしまうことがあります。
最初は「すごいなぁ…」と勉強自慢を尊敬していたけれど、次第にうざくなってきたりしつこくなってきて、他人の勉強自慢を見るのがめんどくさくなるというデメリットもあります。
勉強が出来る人の投稿を見て落ち込む
あまりにも学力が上の人の勉強自慢を見て「自分なんかが自慢するのは場違いだ…」と感じて、本来なら抱える事のなかった悩みを抱えてしまい、自分の勉強のできなさを自覚して自分で自分が嫌になるという辛さも勉強垢にはあります。
さらに勉強垢で対等な関係でつながっていたはずが、いつしか勉強できる人の方が偉く、勉強できない人は見下されているという空気が生まれて、いづらくなってしまうというリアルの人間関係でもあるようなスクールカーストが勉強垢同士でもあります。
出費が増える
勉強垢にアップするために、意識高い系の大学生のようにおしゃれなカフェに入り浸って勉強する、インスタにアップされていた文房具を買いあさるなどの出費が増えてしまうことがあります。
そもそも勉強は基本的にそこまで道具にお金をかける必要はありませんし、道具にお金をかけたからと言って必ず成績が上がるわけではないことは明らかです。
高いノートとシャーペンで問題を解こうと、チラシの裏に安物の鉛筆で問題を解こうとどちらもやっていることは同じです。
もちろん、道具にこだわることの効果を否定はしませんが、勉強への不安から逃れるために、文房具を買い漁ることに熱中するのは考えものです。
勉強の不安を解消するには、買い物をするよりもまずは勉強すること。
勉強してどこか苦手なのかをしっかり把握して、苦手なところを完璧にわかるようになるまで繰り返して地道に勉強していくことが不安解消への有効な手段なのです。
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勉強垢を使いこなせる人になるためには…
勉強垢は勉強のやる気がなかなか出ないという人の背中を押す目的では確かに有効です。
しかし、勉強垢と銘打っても中身は普通のSNSにすぎず、twitterやインスタグラム同様に友達同士で交流することができるので、つい自分を甘やかし勉強に支障が出てしまうのも無理はありません。
また、勉強を続ける意志が弱くて勉強垢に手を出している人は、勉強垢の管理ですら意志の弱さが出てしまってダメになるケースが多いので、あまり推奨できません。
勉強垢をちゃんと使いこなせる人は、
- 普段から宿題をきっちりやる
- 授業をしっかり聞いて、予習・復習ができている
- 定期テスト前でも慌てることなく、ちゃんと予定を立ててその通りに勉強している。
といった、基本的な勉強習慣が身についている人です。
勉強垢に頼る前に、まず普段の自分の勉強習慣とそれをちゃんとこなせているのか、という点を振り返ってみることを、先にしてみるようにしましょう。