「今でしょ?」で大ブレイクした林先生のように、塾や予備校には、授業の仕方が独特であったり、強いキャラクター性を生かした授業で人気になっている先生がおられるものです。
そんな人気講師の授業を受ければ、さも志望校に合格出来るような気がしてくる、不得意科目が得意科目に変わるような気がしてくる…と感じて安くないお金を払ってその先生の授業必死に聞くに行こうとする人が多いものです。
もちろん、人気講師の授業そのものを否定するわけではありませんが、ただ人気だからと言う理由でよく考えずなんとなく授業を聞くばかりでは、授業の成果は反映されないと思います。
かくいう筆者も、予備校で当時何冊ものベストセラーを出した英語の先生の授業、かき幸集で1週間ほど受けたことがありますが、有名と言うだけあってとてもわかりやすかった…と言うものではなく、期待が先行し過ぎたせいで思っていたほどの授業ではなかった。
言い換えれば、自分の中で都合の良い期待を抱いていたものの現実はそこまででもなかったと言う手痛い経験をしたことがあります。
そんな経験を踏まえ、今回は塾・予備校で人気講師の授業を受けるときに気をつけておきたいポイントについてまとめました。
人気の講師の授業を受ける時のポイント
人気の講師=自分にとってわかりやすいとは限らない
人気の講師の授業は、確かに
- 説明が上手
- 解説が丁寧
- 勉強に引き込むためのトーク力や小ネタの使い方が上手
などの多種多様な魅力があるもので…が、人気の講師だからと言って、必ずしも自分にとってわかりやすいとは限らないということをよく理解しておく必要があります。
例えば、偏差値が50付近の人に向けて説明するのが得意であり人気を博していると言う講師の授業を受ける場合、偏差値が40付近の人であれば勉強がついていけないと感じる、逆に偏差値が60付近の人であれば退屈に感じることでしょう。
この場合、ターゲットとされているのは偏差値が50位の人なので、その奥付近にいる人であればわかりやすく効果的な授業になりますが、それ以外の人からすればあまり効果的ではない事業になってしまうのです。
ただ人気だからと言うネームバリューに惹かれて授業を受けるかどうか決めるのではなく、今の自分の学力や勉強の進み具合を基準にして、よく考えて授業を選んでいく必要があります。
人気講師の授業をお客様気分で受けてはいけない
人気講師の授業受けている人によく多いのが(塾・予備校にとっての)お客様気分が抜けず、ただボーッと授業を聞き、なんとなく板書に徹していると言う人です。
特に、テレビや本、ネットなどで名前が知れている講師の授業ともなれば、まるで芸能人をひと目見ようと言う目的で授業を聞きに来てしまい、自分で勉強しようと言う気持ちがどこかに行ってしまったり、授業を聞くだけで満足してしまう人が少なくありません。
その授業で習ったことを復習してしっかり頭に入れておかなければ、成績や偏差値に勉強の成果が反映される可能性は低くなります。
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講師の授業を受けるだけでなく予習・復習を徹底して行うべし
当たり前ですが、人気講師の授業を聞くだけで成績が上がるのなら苦労はありません。
勉強の基本は予習、授業、復習の3つであり、人気講師の授業を受けただけで予習も復習もいらないほど内容がまるまる頭に入る…と言う人はあまりないものです。(そもそも、そんな人なら塾・予備校に行かなくても独学でOKなはず)
人気のある人の授業であれば、自分も今は無理かもしれないけれどもう難関大学に受かるかもしれないと言う夢が見れてしまうものです。
もちろん、その夢を現実のものにしたいのであれば、授業だけでなく予習・復習も徹底して行うことが欠かせません。
人気なだけあって授業後に質問できないことがある
人気講師の授業とだけあって、授業が終わった後その先生のもとに人だかりができてしまうことで、授業中に気になったことの質問ができないと言うことがあります。
中には出版した本のサインを求めてきたり、まるでアイドルの握手会かのような熱い熱弁をするファンのような人が授業後に質問と言う名の交流をしていることがあります。
その結果、授業中に抱いた疑問や質問をするのに長い待ち時間が必要になったり、場合によっては次の授業のための移動と言う理由で、質問タイムが打ち切られてしまい質問のチャンスを逃してしまうことがあります。
なおこれは、人気講師の授業に限らず複数人で一斉に行う事業ならよくありがちなことであり知っておいて損はない知識だと思います。
(もちろん、先生によっては「誰でも質問を受け付けているよ」と言うオープンなスタンスで行っているとは限りません。事前に質問OKかどうか、もしも質問をするのならどんな準備が必要か調べておくようにしましょう。
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「人気講師の授業が理解できなかった=勉強ができない」と落ち込まないように
実際に人気講師の授業を受けてみたものの、
- 自分にとっては理解が難しいと感じた
- 思っていたほど実りのあるものではなく正直コメントしづらい
と感じて、自分には勉強が向いていない、勉強の才能がないと自分を否定してしまう人がいます。
確かに人気講師の授業すら自分に合わなかったと感じれば、勉強に対して悲観的になるのは無理は無いかと思います。
しかし、自分の目標としている志望校への道は、人気講師の授業を受けることでしか叶えられないものなのでしょうか?
ひょっとしたら、他の普通の知名度の講師の授業を受けた方が良い結果が出るかもしれませんし、予備校生そのものを変えたり個別指導の塾に行くなどの環境そのものを変えたほうが、自分に合った勉強スタイルが見つかるかもしれません。
もちろん、これと同じ事は講師選びだけでなく参考書選びや問題集選びにも当てはめることができるでしょう。
勉強するときは、どうしても不安から「知名度のあるものや有名なものを選んで勉強しとけば大丈夫」と言うような心理に陥りやすいものです。
しかし、そこで不安に流されてただ闇雲に知名度にすがるのではなく、いちど冷静になって自分のレベルや実力に合った教材を学び方を選べるようになることが大事だと思います。